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月夜の空  作者: みづき
三章 消え願うもの
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二話

 少女は、暗い闇のなか目を覚ました。

 浅い呼吸が繰り返され、霞んだ瞳が辺りをさまよう。

 夢だったらしい。

 あの、恐ろしく、迫るような感覚。

 夏梨は深呼吸をして、また双眸を閉じた。

 ――夏梨がここ最近、この屋敷に来て見る夢はいつも同じものだった。

 普段は見ないものを、ここ最近は特に。

 彼女の頭を支配するのは、決まって同じだ。

 あの蔑んだ瞳、軽蔑するような視線、あからさまな態度。

 忘れたくても、それを否定するかのごとく、鮮明な記憶として彼女の中に根づく。

 周りとは少し違うということで、自分は孤立していたのだ。

なにも違うところなどないというのに。

 だから夏梨は、逃げるようにしてここへ来た。

 心を癒すためと、忘れたい一心で。

 けれどもこうして夢で見るのであれば、その意味はなかったのかもしれない。

 夏梨はぼんやりとそんなことを考え、脱力するように息を吐き出し、ごろりと寝返りを打つ。

 うっすらと目を開けると、染み一つない畳が見えた。

 逃げようかとは初め考えていた。

 でも、ここにいたいと思う理由が出来てきたような気がした。

 梶に聞かれた時に、彼女が気付いた少し変化があった気持ち。

 徐々に眠気が襲って来、とろとろと目蓋を閉じる。

 夢の中へと誘われる瞬間。

 彼女の脳裏に浮かんだのは、全身を白く染め上げた、今にも消えてしまいそうな狐だった。

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