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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
小さな一歩、大きな始まり

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勝利と余韻

巨体が崩れ落ち、黒く濁った酸の塊が床いっぱいに広がった。

床石を焼くジジジ……という嫌な音とともに白い煙が立ち昇り、やがてその質量は光に変わり、わずかな残骸だけを残して霧散していく。


「……か、勝った……」


その瞬間、またあの感覚が


【レベルアップ】


名前:トリス(9歳)

Lv:2 → 4

HP:66 → 80

MP:720 → 880


STR:12 → 15

VIT:11 → 14

AGI:15 → 17

DEX:19 → 22

INT:26 → 28

MND:19 → 22

LUK:51 → 54


「……う、うわっ!?」


数字が、一気に跳ね上がった。

小物を倒したときとは比べ物にならない。

全身が軽くなり、息苦しさが和らぎ、胸の奥の魔力は暴れ出しそうなくらい膨れ上がっている。


「レベル……いっきに、四……!?」


驚きと同時に、足が勝手に跳ねていた。

(やった、やった! 本当に強くなれたんだ!)


思わず声を張り上げる。

「やったぁぁぁぁぁ!!」


広間に子供らしい歓声が響き渡り、粘液に沈んでいた空気を吹き飛ばした。




木剣を杖のように突き立て、トリスはその場に膝をついた。

腕は酸のせいで皮膚がひりつき、衣服はあちこち焦げて破れている。胸は荒く上下し、今にも酸素が足りなくなりそうだ。それでもあの巨体はもう動かない。


つい先ほどまで、逃げ場のない通路で、死と隣り合わせの戦いを強いられていた。

酸を浴びれば大怪我。踏み潰されれば終わり。

ただの木剣一つで挑むなど無謀にも程があった。だが、最後の最後、核の動きの癖を見抜き、命を賭けて突き込んだ一撃がすべてを決めたのだ。


床に残されたものに、トリスは目をやる。

そこには小さな結晶と、どろりとした濃い粘液がいくつか。


「……これは、素材か」


恐る恐る手を伸ばし、結晶を拾い上げる。

冷たい輝きが指先に伝わり、まるで心臓の鼓動のように淡く明滅する。

瓶を取り出して粘液を流し込むと、重たげな質感が手首にずしりとのしかかった。



【ドロップ入手】

・《濃縮スライム核の欠片》 ×1

・《高濃度スライム粘液》 ×2



無機質な通知のように頭の中に響く声に、トリスは小さく息を漏らす。

それは確かに冒険の証であり、命を賭けた対価でもある。


(これをギルドに持ち帰れば……少しは金になるはずだ)


金額にすれば、決して大きくはない。

孤児院で待つ子どもたちに腹いっぱい食べさせるには、とうてい足りない。

それでも、ほんのわずかでもいい。焼きたてのパンを一つでも持ち帰れるのなら――命を懸けた甲斐はある。


「……よし」


木剣を支えに立ち上がる。

足は震え、視界はまだ霞んでいる。

けれど瞳だけは、決して揺らがなかった。


暗い通路の奥を見上げる。

遠くで水滴が落ちる音が反響し、冷たい風が肌を撫でる。

深淵のような闇の中、ただ一人、少年の瞳だけが確かな光を宿していた。


(俺は、絶対に生き残る。何度でも、何度でも……!)


ふらつく体を無理やり前へと押し出し、トリスは帰路につく。

血と汗と涙で塗り固めた一歩一歩を踏みしめながら。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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