↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
新たな土地に夢を託して

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/287

祝宴と貴族の闇

玉座の間での叙任が終わると、広間は一転して華やかな宴へと変わった。

高い天井に灯されたシャンデリアが煌めき、長卓には豪奢な料理が次々と並べられていく。

楽人たちの竪琴が柔らかく響き渡り、重苦しい緊張が少しずつ解けていくのを肌で感じた。


◇


「子爵殿、実に見事な働きであった」

白髪の老臣が近づき、杯を掲げてくる。

「アントの巣を討伐しただけでなく、素材の利用法を確立するとは……。

 その技術こそ、王国にとって金貨の山にも等しい価値を持つであろう」


「ありがとうございます」

俺は姿勢を正し、杯を合わせた。

酒が喉を焼き、胸の奥まで熱を届ける。


別の重臣も前に出る。

「だが領地経営は討伐とは違う。民は魔物のように斬れぬ。

 治めるとは、守ること。そして導くことだ」


「肝に銘じます」

俺は深く頷いた。

(――ここからが本当の戦いだ)


◇


そんな俺の背を、アリアが軽く突いた。

「堅苦しい顔してる。もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃない?」


「そう見えるか?」

思わず苦笑いを返すと、彼女は杯を手に小さく笑った。

「うん。でも、今のあんたなら――胸を張っていいと思う」


◇


「ほら、重臣の相手ばかりじゃ疲れるでしょ」

隣にいたミーナが柔らかい声で割り込む。

「挨拶に来る人の名前と肩書き、あとで整理してあげる。書き留めるのも任せて」


「……助かる。僕だけじゃとても覚えきれない」


「子爵様って呼ばれるの、慣れてきた?」

いたずらっぽく笑うミーナに、耳が熱くなるのを感じた。


「やめてくれ、まだ落ち着かない」


◇


やがて、アルトリウス王が立ち上がり、杯を高く掲げた。

「皆の者、聞け! 本日の主役は――若き子爵、トリス・レガリオンである!

 アントの群れを打ち破り、新たな資源を王国にもたらした英雄だ!」


「トリス子爵に、栄光あれ!」

「栄光あれ!」


広間が大きな歓声と拍手に包まれる。

無数の視線と声援を浴びながら、俺は自分が背負ったものの大きさを改めて噛みしめていた。


アリアが隣で小さく呟く。

「……本当に誇らしいわ、トリス」


ミーナも杯を掲げる。

「でもね、これからが本当の勝負よ。領地をどう動かすかで、あなたの未来が決まる」


「わかってる」

俺は二人の杯に自分の杯を重ねた。

「トリス領の未来に――そして仲間たちに」


澄んだ音が重なり、広間に広がっていく。

それは、俺たち三人の決意を刻む音のように響いた。





表向きは、誰もが若き子爵を称え、杯を掲げていた。


だが――その裏で。


◇


広間の隅、柱の陰でひそやかに声が交わされる。

金刺繍の衣を着た中年貴族が、杯を指先で弄びながら吐き捨てた。


「……馬鹿な話だ。孤児院上がりの小僧が、子爵領を与えられるとはな」


隣の肥えた貴族が鼻を鳴らす。

「しかも名ばかりではなく、実際に領地と技術を手にした。

 アント素材の技術……あれを独占されれば、我らの利権に響く」


「国王陛下は賢王と呼ばれているが……あの若造に肩入れしすぎだ」


「ふん、いずれ失敗して民に見放されるだろう。

 その時こそ、真に統治できるのは我らであると示せばいい」


杯の葡萄酒が揺れ、どす黒い笑みが浮かぶ。

彼らの囁きは音楽と笑い声にかき消され、誰の耳にも届かない。


◇


一方で、祝宴の中央では王の声が高らかに響いていた。

「――再び告げよう。トリス・レガリオン子爵に、栄光あれ!」


「栄光あれ!」

喝采と拍手が広がり、トリスの名は繰り返し呼ばれる。


アリアが小声で囁く。

「……見て、皆があなたを英雄のように見てる」


ミーナも笑みを浮かべながら、しかし真剣な瞳で続けた。

「けど、その視線が全て味方とは限らないわ。

 この先は……敵も増える」


「わかってる」

俺は二人の言葉を受け止め、静かに杯を掲げた。


「――それでもやる。トリス領を、必ず守ってみせる」


杯が重なり、澄んだ音が広間に響いた。

その音の裏で、不穏な影が確かに息づいていた。

初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。