ラットモールのネル
土埃を巻き上げながら、丸々とした灰色の影が現れた。
ラットモールだ。巨大な前歯と爪で土を掘り、排水路を作る職人のように動いていく。
「すごい……! ほんとに土を掘るのが好きなんだね」
アリアが目を丸くした。
「トリス様、この子には名前をつけないんですか?」
横で見ていた孤児院の子供たちが、目を輝かせて声を上げた。
確かに、ここまで働き者で村に貢献しているのに、ただ「ラットモール」では味気ない。
俺は少し考え、子供たちを見渡した。
「そうだな。みんなが呼びやすい名前がいいな」
「じゃあ、トンネルから取って……ネル!」
一番年下の少年が元気よく叫んだ。
その声に周囲がざわめき、すぐに笑い声が広がった。
「ネルか、いいじゃないか!」
「覚えやすいし、可愛い!」
当のラットモールも「グルルル!」と喉を鳴らし、嬉しそうに尾を振った。
その姿に、みんながさらに笑顔になる。
「決まりだな。今日からお前はネルだ」
俺が宣言すると、ネルは地面を前足でドスドスと叩き、さらに勢いよく掘り始めた。
「張り切ってる!」
子供たちがはしゃぎながら後を追う。
――こうしてネルは、村の大事な仲間として迎え入れられた。
街道工事はネルの助けもあって目覚ましい速度で進み、やがて村と外を繋ぐ一本の道が完成していくのだった。
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




