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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
小さな一歩、大きな始まり

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観察と気づき

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

ビッグスライムの巨体が、通路を揺らすように弾んだ。

「ぷく、ぷく」……腹の下に小さな泡がふくらむ。


「来る……!」


「ぷるんっ!」

直線的な突進。緑色の巨塊が音を立てて迫る。


(“ぷくぷく”は合図! 着地してから“3つ数えて”……そこだ!)


トリスは横に跳び、酸の飛沫が頬をかすめる。熱い。だけど今は構っていられない。

床を砕く音。「ジュッ!」白煙が立ちのぼる。


「いち……に……さんっ!」


トリスは木剣を構え、腹の下――気泡が通る薄い場所へ突き込んだ。

ぬるりとした抵抗。だが、その奥に硬い感触。


「今度こそ……!」


……が。


「……えっ!?」


核に届いたと思った瞬間、粘液の壁がぐにゃりと盛り返し、木剣を横に弾いた。

核はほんの僅かにかすっただけで、ヒビは入らない。


「うそだろっ……!」


次の瞬間、逆流した酸が木剣を伝って逆流してきた。

「うわああああっ!」

慌てて飛び退く。腕に赤い斑点が浮かび、ヒリヒリと痛む。


(ちょっとでも遅れた……“3つ数えて”じゃ足りない!)


ビッグスライムはぐるりと体を震わせ、再び腹を膨らませる。

「ぷく、ぷく……!」


「また来る……!」


巨体が一直線に迫る。トリスは必死に横へ転がり、壁際で受け身を取った。

「ジュウウ……ッ!」酸で床がまた溶け、白煙が辺りを覆う。


(怖い……もう、逃げたい……でも……!)

脳裏に浮かんだのは、孤児院のみんなの顔。

空腹をこらえて笑っていた子どもたち。

(帰らなきゃ……! 俺が帰らなきゃ!)


「……もう一度! もう一度だけ、やる!」


木剣を握り直し、痛む腕を無理やり持ち上げる。

息を整え、目を凝らす。


(“ぷくぷく”は合図……着地の“3つ数えて”じゃ遅い……! “2つ半”で刺す!)


ビッグスライムが弾みをつける。

「ぷく、ぷく……!」


「来い……!」


「ぷるんっ!」

通路いっぱいの影が迫る。トリスは歯を食いしばり、壁すれすれを滑るように抜ける。

酸の飛沫が肩を焼いたが、気にしない。


着地――


「いち……に……ッ、今だぁぁぁっ!」


トリスは足を踏み込み、渾身の力で木剣を突き立てた。

腹の下、右寄り。気泡が通っていた“薄い場所”。


ズブッ――。


ぬるりとした抵抗の奥で、硬い感触。

バキンッ!


核に確かなヒビが走る。スライムが大きく震え、粘液が飛び散る。


「まだぁっ!」


さらに力を込めて、木剣を押し込む。

バリィンッ!


核が砕ける音が響き渡った。


「やった……! 倒した……!」


巨体はぐずりと崩れ、緑色の粘液がしゅうっと蒸発するように消えていく。

残ったのは、ひときわ澄んだ光の粒だけ。


トリスは肩で息をしながら、その場に膝をついた。

酸で焼けた腕は痛い。でも、笑みがこぼれる。


「“ぷくぷく”の合図……“2つ半”だったんだな……」


痛みと汗でぐしゃぐしゃの顔を上げ、少年はぽつりと呟いた。


「俺……本当に……スライムを倒せたんだ……!」


9才の冒険者の小さな勝利。

その瞳には、もう恐怖よりも“誇り”が灯っていた。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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