女王戦
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
地鳴りのような震えが、地下広間の壁と床を揺らした。
耳に圧がかかり、胸の奥がざわつく。
俺たちが息を潜める前で、黒々とした影が穴から這い出てくる。
まず、巨大な触角が揺れた。
その長さは俺たち三人分はあるだろう。
次に、赤黒い複眼が闇を切り裂いた。
ぎらぎらと濁った光。理性など存在しない、ただ本能と支配欲の塊。
最後に、膨れ上がった腹が地面を引きずるようにして現れた。
クイーンアント。
地中に君臨する、群れの支配者だ。
「……なんだよ、これ……」
ディルが唇を噛んだ。普段軽口を叩く彼の顔に、青ざめた色が浮かんでいる。
「でかすぎる……」
ルークが剣を握りしめ、乾いた音を立てた。汗が柄ににじんでいる。
俺は深く息を吸い、冷静さを自分に言い聞かせる。
恐怖に押しつぶされそうになりながらも、《真鑑定》を発動した。
光が女王の身体を縁取り、内部構造が透けて見える。
触角の根元――情報を伝達する神経。
喉奥――匂いで群れを操る袋。
腹下――守りの薄い産卵口。
そして同時に、《統治》が仲間の位置を映し出した。
まるで盤面の駒のように、誰がどこにいて、どう動けば最適かが見えてくる。
(勝てる……いや、勝たなきゃいけない)
「アリア、触角を射抜け!
ルークは正面で顎を受け流せ!
ディルとエルムはソルジャーを止めろ!
ミーナは風で匂いを散らす準備を!」
「了解!」
「任せろ!」
「はい!」
「やってみせる!」
仲間の声が重なり、広間に緊張が走った。
⸻
女王の顎が、雷のような速度で振り下ろされた。
空気が裂け、床に衝撃が走る。
「ルーク、受けろ!」
「おおおっ!」
ルークが剣を掲げ、全身で顎を斜めに弾いた。
火花が散り、甲高い金属音が耳を打つ。
顎の軌道が逸れ、石床にめり込み、床が砕け散った。
「アリア、今だ!」
「――射る!」
アリアの指が弦を放つ。
矢が一直線に飛び、右触角の根元を貫いた。
ぶちり、と嫌な音が広間に響く。
右触角がだらりと折れ、地面を叩いた。
「もう一本!」
アリアが矢を番え、迷わず次を射る。
矢が左根元を穿ち、触角が裂けて揺れる。
左右の触角が失われ、女王が苦しげに体を震わせた。
その瞬間、周囲のソルジャーアントたちが一斉に乱れた。
群れを導く信号が途絶えたのだ。
列が崩れ、動きがばらける。
「効いてる!」俺は思わず叫んだ。
⸻
すぐさま女王が喉奥から異臭を吐き出す。
群れを束ねる匂いだ。だが――
「ミーナ、風を!」
「ディフューズ!」
ミーナが杖を振る。
白い風が広間を駆け、女王の喉奥から漏れる匂いを吹き散らす。
鼻を刺すような刺激臭が消え、肺に新鮮な空気が流れ込んだ。
同時に俺は《繋》で喉奥を断ち切る。
匂い袋が破れ、操作の声が絶たれた。
ソルジャーたちが完全に乱れ、互いにぶつかり混乱している。
「……よし、群れは抑えた」
⸻
だが女王自身の動きは止まらない。
巨大な前脚が薙ぎ払われ、石床が砕け散る。
「ディル、左脚を削げ!」
「任せろ!」
短剣が甲殻の隙間を削り、脚が揺らぐ。
「エルム、止めろ!」
「はいっ!」
槍の石突が関節を叩き、脚が一瞬鈍る。
「アリア!」
「射つ!」
矢が肩口をかすめ、体勢を崩す。
顎は相変わらず脅威だが、仲間の連携で攻撃の鋭さは落ちてきた。
(ここで決める!)
「ルーク、正面を抑えろ! アリア、視界を逸らせ!」
「任せろ!」
「了解!」
ルークが顎を受け流し、アリアの矢が複眼を射抜く。
女王の顔がわずかに反れ、腹下が露わになった。
「今だ――!」
俺は《繋》を振り上げ、柔らかな膜へ刃を通した。
布を裂くように、産卵口が縦に切り裂かれる。
クイーンアントの咆哮が、途中で途切れた。
巨体が痙攣し、石床を打ち砕きながら前のめりに崩れ落ちる。
砂煙が広がり、やがて広間は静寂に包まれた。
⸻
「……倒したのか?」
ディルが息を切らし、剣を支えながらつぶやく。
「動かないな……勝った」ルークがゆっくり剣を下ろす。
アリアが俺に歩み寄り、目を細めて微笑んだ。
「最後の一閃……きれいだった」
「ありがとう。みんなのおかげだ」
その時、視界に光が差した。
⸻
【レベルアップ】
名前:トリス(15歳)
Lv:12 → 13
HP:500 → 560
MP:4300 → 5200
STR:76 → 83
VIT:68 → 75
AGI:86 → 94
DEX:102 → 110
INT:92 → 100
MND:80 → 88
LUK:166 → 175
【スキル進化】
・《剣技》Lv10 → 《覇剣術》 Lv1
・《体術》Lv10 → 《武王術》 Lv1
全身に新しい感覚が広がる。
剣は覇気を帯び、身体は武の王者のように自然と構えを整える。
これは――進化。
「帰ろう」
俺は静かに告げ、仲間たちと広間を後にした。
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




