蟻の軍
湿った空気が肺に重くのしかかる。
俺たちは蟻の巣の奥へと足を踏み入れた。道は妙に整然としていて、自然にできた穴というより、誰かが設計した地下通路のようだった。
「……造りがきれいすぎるな」
ディルが壁を指でなぞりながら言う。
「これじゃまるで軍用の通路だ」
エルムが槍を握り直し、緊張した声を漏らす。
「軍用って……蟻にそんなことできるんですか?」
「できてるんだよ、実際に」
ルークが短く答え、剣の柄に手を置いた。
「……来るぞ」
闇の奥から、甲殻が擦れる音。
「ギチチチ――」
俺は《洞察眼》を発動した。
視界に淡い線が浮かび、蟻たちの動きが見える。
(数は十五。下位種のワーカーアント。顎に注意――脚と腹が弱点だ)
「聞け! 腹と脚を狙え! 顎の動きに惑わされるな!」
同時に《采配》を展開する。仲間たちの構えがぴたりと揃った。
最初の一体が飛び出す。
ルークの剣が顎を弾き、アリアの矢が脚を射抜き、エルムの槍が腹を突いた。
「やっ!」
体液が飛び散る中、ディルが背後に回り込み、首を切り落とす。
「いい連携だ!」
俺は《繋》で別の一体の脚を斬り払い、仲間と共に次々と群れを倒した。
しかし、数は減らない。奥からさらに二十体以上が押し寄せてくる。
「多すぎる!」
ミーナが叫び、光を広げて視界を確保した。
俺はすぐに洞察を深める。
(……列の真ん中に動きを合わせているやつがいる。あれが合図役だ!)
「中央に指揮役がいる! そこを狙え!」
「了解!」
アリアが矢を連射し、小型のワーカーの脚を射抜く。
俺とディルが斜めに飛び込み、刀と短剣で同時に切り裂いた。
「ギチ――!」
その瞬間、群れ全体が乱れる。
列の動きが止まり、前進が途切れた。
「押し切れ!」
ルークが咆哮し、前列をまとめて弾き飛ばす。
エルムの槍が脚を次々に貫き、ミーナの光がさらに強まる。
俺たちはついに包囲を突破した。
「はぁ……っ」
エルムが肩で息をする。
「数で押されるの、怖かった……」
「でも頭を潰せば崩れる。蟻も軍隊も同じだ」
俺は刀を拭い、奥を睨んだ。
だが、足音がまだ続いていた。
重い、硬い響き。
「……ソルジャーアントだ」
ルークが低く呟く。
闇から現れたのは、ワーカーより一回り大きく、顎も脚も分厚い蟻の兵士ソルジャーアントだった。
十体以上が、じりじりと列を組んで迫ってくる。
「ここからが本番だ」
俺は《繋》を構え直した。
ソルジャーアントの列が、じりじりと迫る。
ワーカーとは違い、無駄のない動き。顎が閉じるたびに骨が砕けるような音を立てた。
(正面からは押し負ける。だが、また中心を狙えば……)
《洞察眼》で見極める。
(中央に顎の長い個体。あれが列のまとめ役だ)
「ルーク、正面を止めて! エルムは右列の脚を狙え! アリア、中央へ矢を! ディルは左から回り込め! ミーナは光で線を引け!」
仲間たちが一斉に動く。
ルークが剣で顎を受け止め、エルムの槍が脚を突き、アリアの矢が中央の個体を揺らす。
ディルが背に回り込み、顎の根元を切り裂いた。
「今だ、斜めに抜ける!」
俺は叫び、刀《繋》で列の脚をまとめて払った。
ミーナの光が地面に道を示し、俺たちはその光を踏みながら突き抜けた。
「うおおっ!」
ルークの咆哮と共に、列が崩れる。
ソルジャーたちが四散し、広間が静まり返った。
「やった……!」
エルムがへたり込みそうになりながらも、目を輝かせる。
だが――。
「まだ終わりじゃない」
俺は奥を見据えた。
空間が広がり、卵嚢が積み上げられた広間。
そして、その中央にひときわ巨大な蟻がいた。
背は黒曜石のように硬く、顎は鋭い鎌のよう。
周囲からソルジャーを呼び寄せるその姿は――
「……ジェネラルアント」
アリアが剣を構え直す。
「本当の戦いはここからだな」
ルークが笑い、俺も刀を構える。
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




