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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
小さな一歩、大きな始まり

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褒賞と、それぞれの未来

大理石の床は陽光を反射し、赤い絨毯が玉座までまっすぐに伸びていた。

頭上には幾百もの蝋燭を灯した巨大なシャンデリアが煌めき、壁には先王たちの肖像と戦勝を誇るタペストリー。

空気そのものが威光を帯び、呼吸一つすら重く感じられる。


俺たち五人はその絨毯の上に整列していた。

鎧姿の近衛騎士たちが左右に立ち並び、ただの視線が剣より鋭く感じられるほどの緊張感。


「よくぞ王都を守り抜いた」


広間全体を震わせるような朗々たる声が響く。

玉座から立ち上がったアルトリウス王は、鋭さと慈愛を併せ持つ眼差しで一人ひとりを見据えた。


まず仲間の名が順に呼ばれる。


「ルーク・ハーラン」

「剣をもって先陣を切り、王都を護った。その功績により、銀の証剣を授与する!」

ルークは片膝をつき、剣を受け取って胸を張った。


「ミーナ・エイル」

「炎と風を操り、数多の魔を退けた。その功績により、紺碧の魔導書を授与する!」

ミーナは魔導書を胸に抱き、嬉しそうに微笑む。


「ディル・ガーネット」

「仲間を護り抜き、鉄壁の防御を示した。その功績により、鉄壁の盾を授与する!」

ディルは盾を掲げ、低く「感謝します」と答えた。


「アリア・フェルン」

「剣と弓を携え、仲間を導いた。その功績により、蒼翼のマントを授与する!」

アリアは静かに礼を受け、剣を腰に下げたまま王の前に立った。


アルトリウス王は少し間を置き、顎をわずかに動かした。

「加えて――武功を示せ」


ざわめきが広がる。王命を受け、近衛騎士の一人が前に進み出た。筋骨逞しく、腕前も折り紙つきの騎士。


アリアは一歩進み出て剣を抜いた。

「承知しました」


乾いた音とともに模擬戦が始まる。

アリアの剣筋は無駄がなく、淀みなく流れる。騎士の鋭い斬撃を受け流し、次の瞬間には切り返す。

その姿――鋭さと気品を兼ね備え、どこか見覚えのあるような洗練された型だった。


「……妙に整っているな」

「誰に習ったのだろうか……」


貴族たちの間から小声が漏れる。だが、それ以上の詮索には至らず、ただ「見事」との感嘆が広がった。

数合の後、アリアは鮮やかに騎士の剣を弾き飛ばした。


アルトリウス王は満足げに頷く。

「見事」


アリアは剣を収め、深々と一礼した。


そして――王の視線は俺に注がれる。


「トリス」


その名が呼ばれた瞬間、広間がざわついた。孤児院育ち、姓も持たぬ少年。その名が王の口から響いたのだ。


アルトリウス王は一歩進み出て、厳かに告げた。

「孤児として生まれしそなた。しかし戦場で力を示し、民を救った。余はここに『レガリオン』の姓を授け、正式に男爵とする」


近衛が捧げ持つ装飾短剣と証書が俺の前に差し出される。

手にした瞬間、肩に背負う重みが全身を貫いた。孤児だった俺が、今ここで――男爵となったのだ。


さらに王は続ける。

「加えて、王都西方のハルトン村をそなたに委ねよう。荒れ果ててはおるが……余はそなたならば立て直せると信じている」


場が再びざわめいた。領地の授与。それは一人前の貴族として認められた証。


俺は膝をつき、深く頭を垂れた。

「ありがたき幸せにございます」


しかし、その時。


「お待ちください!」


列席していた伯爵の一人が声を張り上げた。

「王よ!この者は孤児上がり。民を導ける器などありませぬ。領地を与えるなど笑止!」


空気が張り詰める。王は何も言わず、ただ俺を見ている。――ここでどう返すか、試されている。


俺は深く頭を垂れ、声を低くした。

「……おっしゃる通りにございます。私など、身の程をわきまえねばなりません」


伯爵の口元が勝ち誇ったように歪む。

「ふん、やはり格下は格下。分を弁えておるではないか」


――その瞬間、彼は完全に「勝った」と信じ込んだ。


俺はゆっくりと顔を上げ、穏やかに微笑む。

「だからこそ、学ばせていただきます。民を導く術を。必ず領地を立て直してみせます」


ざわめきが一層大きくなる。伯爵の笑みは引きつり、周囲の視線が俺に集まった。


その刹那、胸の奥で熱が弾け、視界の端に光が走る。


――――――

【ログ】

・《スキル詐奪》 Lv3 発動

・新スキル:《采配》 Lv1【アンコモン】

――――――


誰も気づかない。ただの謙虚な答礼としか見えなかっただろう。

だが俺には、新しい力が確かに宿っていた。


アルトリウス王が小さく頷き、重々しい声で告げる。

「よい。己を律し、学ぶ心を持つ者こそ真の領主となろう。――レガリオン男爵、立て」


その言葉は広間全体に響き渡り、貴族たちも一斉に頭を垂れた。


俺は深く礼をして立ち上がった。

仲間たちの視線を背に受けながら、胸の奥で静かに誓う。

――この瞬間、孤児の身は終わり。レガリオン男爵として、ハルトン村を治める歩みが始まったのだ。


初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。


騙すは嘘をつくも入りますが、誤解を与えるって意味もあるそうです!AI様が教えてくれました。

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