表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
小さな一歩、大きな始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/265

見るだけ通いと追加依頼

あの日以来、トリスは武具市に立ち寄るのが習慣になった。

依頼の前後や休みの日でも足を運び、露店の剣や槍を「見るだけ」で振らせてもらう。


「坊主、また来たのか」

前掛け姿の親父が苦笑する。


「はい、勉強させてもらってます!」

トリスは両手で鉄剣を受け取り、軽く振った。


重い剣、軽い剣、ぶれる剣、まっすぐ収まる剣。

毎日比べるうちに、違いが少しずつ肌でわかってきた。


「力はねぇが、目は育ってるな。今度は握りを見ろ。手に馴染むかどうかだ」

親父がアドバイスをする。


「……はい!」


横でアリアが黙って見守っていた。

彼女は多くを語らない。ただ「次」と一言だけ言って別の剣を渡す。

その繰り返しが、トリスには何よりの稽古になっていた。



数日後。

トリスたちの班は報告を終え、受付嬢エレナから追加依頼を受けた。


「最近、街の外縁にゴブリンの群れが出ています。討伐というより、調査と牽制をお願いしたいんです」


「ゴブリンか。前に森で戦ったな」

ルークが腕を組む。


「数がまとまってきて、商人たちが警戒しているんです」


「偵察ついでにひと暴れ、ってやつか」

ディルがにやりと笑う。


「気を抜かないこと」

ミーナが冷たく言った。


「承知した。調査兼討伐、引き受けよう」

ルークが頷くと、トリスの胸は高鳴った。

(前よりもっと……役に立ちたい!)



その夜。

トリスが孤児院に戻ると、子どもたちが一斉に駆け寄ってきた。


「トリス! 今日は何したの?」

「また魔物やっつけた?」


「今日もね、街の用水路を掃除したんだ。枯れ葉を取ったり、流れを直したりして……途中で大きなネズミも出てきたけど、みんなで倒したよ」

胸を張って答えると、子どもたちは「へぇー!」と目を丸くした。


「すごい! じゃあ街のみんなが助かるんだね!」

「ネズミ怖くなかったの?」


「怖かったけど……仲間がいたから大丈夫だった」

トリスは笑って、それから腰の小刀を取り出した。

「そういえば、まだ見せてなかったね。これが僕の小刀だよ。今日の仕事でも役に立ったんだ」


「わぁ! 本物の刃物だ!」

「すごい、すごい!」


「これは戦うためだけじゃなくて、薬草や食べ物を切るのにも使えるんだ」

説明すると、子どもたちは「ふーん」と不思議そうに首を傾げながらも、羨ましそうに目を輝かせた。


院長のエリサが柔らかく微笑んだ。

「戦いの刃も必要。でも、生活を支える刃も大切。……トリスはいい選び方をしたね」


「……ありがとうございます」

胸の奥がじんと熱くなる。

(守りたい。ここを、みんなを、必ず守れるように……!)



翌朝。

新しい依頼――ゴブリン群の調査に出発する準備を整える。


トリスは木剣を握り、小刀の感触を確かめた。

(今度こそ、もっと役に立つ。必ず……!)


青空の下、王都を背にした街道が真っ直ぐに続いていた。

その先で、まだ見ぬ敵と試練が待ち構えている。

初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ