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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
戦火の港湾

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リヴェール沖大海戦 ― 雷神、海を裂く

評価ポイント押してもらってたり、最後に親指グッドとかの数が増えてたり、ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

 明朝


 海の地平が、かすかに朱に染まり始めていた。


 その光を遮るように、黒い艦列が現れた。

 幾重にも並ぶ船影

 

 カローネ侯国の主力艦隊、百五十隻。


 波を切り裂く音が重なり、海面がざわめく。

 リヴェール沖の戦いが、始まろうとしていた。


 見張り台からの報告が響く。

「敵艦、湾外に展開! 主砲、装填を完了! 旗艦に侯国の紋章確認!」


 港全体が騒然とする中、トリスは静かに指揮台に立った。

 その姿に兵たちは言葉を失い、空気が変わる。

 若き南方総指揮官。王が“雷神”と認めた男。


「……来たか。」


 呟きと同時に、潮風が吹き抜け、外套がはためく。

 横にはアリア、背後には銀狼アージェと影猫ノクス。

 彼らもまた、この瞬間を待っていた。


「アリア。弓兵の配置は?」

「第二桟橋まで完了。矢弾も補充済み。あとは合図ひとつ。」

「アージェ、障壁は?」

「ウォンッ!」

 銀の光が波打ち、広場を包み込む。

「ノクス、索敵範囲の拡張を。」

「ニャッ。」


 黒い影が地面を走り、港全域へと広がっていく。

 ノクスの感覚が波を越え、敵の気配を拾う。


「……敵、すでに魔導砲を展開。左翼に集中してます。」

「よし。なら、狙わせよう。」


 アリアが目を丸くする。

「狙わせる? 防がないの?」

「防いだら守るだけだ。誘って、返す。」

 トリスは微かに笑う。

 雷光が掌に走り、空気が震えた。



 海が鳴った。


 轟音。

 カローネ艦隊の砲弾が一斉に放たれる。

 炎と黒煙が空を裂き、海面が爆ぜた。

 水柱が港の防壁を叩き、白い波が飛び散る。


「防壁、維持限界近いです!」

 兵士の声が飛ぶ。


「アージェ、障壁追加だ」


「ワン!」


 一言だけつぶやいたトリスはまだ動かない。

 彼の視線は、海の一点を射抜いていた。


 次の瞬間、彼は叫んだ!

「いまだ!……《電磁誘導》!」


 青白い光が走り、海が光る。

 波の下

 無数の鉄屑や沈んだ錨が反応し、磁場が広がった。

 見えない線が海を縫い、電流が迸る。


 バチィッ――!


 砲弾の金属が、磁場に引かれて逸れた。

 弾道が狂い、空を切り裂くはずの弾が、敵艦隊の中に突き刺さる。


「な、なんだ!?」「味方の船が――!?」

 海上が混乱に包まれた。


 トリスはその光景を見ながら、冷静に指を鳴らした。

 「次。反撃開始。」


 待ってましたと構えた弓をアリアが放つ!


 その瞬間、矢は稲妻を纏って加速し、敵の帆柱を貫く。


 ズドーン!!!


 木が裂け、火が上がり、船が傾く。


「凄い!!」


 弓を放ったアリアはトリスの力を受けた矢を見て唖然としたが、パートナーの力をより、心強く思った。


 「第一列、突撃!」

 レオンの号令と共に、港の船団が動き出す。

 小型船が弧を描いて進み、海面を滑る。

 舳先にはトリス領の紋章。

 雷神の軍勢が、海へ打って出た。



 敵の旗艦

 カローネ侯国提督レイバートは、眉をひそめていた。

「あれが聞いていた雷……だと? 貴様ら、魔導士軍か?」

 部下が震える声で答える。

「いえ、殿下。あれは軍の魔導反応ではありません。これは……トリス・レガリオンただ1人で起こしている“自然現象”であります!」


 「バカな!」

 レイバートは立ち上がり、双眼鏡を覗いた。

 そこに見えたのは、青白い閃光を纏って進む一隻の船。

 甲板の上で、剣を掲げる若き将。

 その周囲の海面が、まるで意思を持ったように波打っていた。


 「……あれが、“雷神”か。」



 トリスの周囲で、青い光が渦を巻く。

 電気と磁気が交差し、海そのものが武器と化していた。

 彼は刀《繋》を掲げ、短く呟く。


 「流れろ。」


 瞬間海が閃いた。


 海面を走る稲妻が敵艦を貫き、鉄の装甲を焦がす。

 磁場が広がり、帆柱の金具が火花を散らしながら弾け飛んだ。

 電流の筋が波を伝い、次の船、さらにその先へと連鎖する。


 「バカな……海が……光っている!?」

 「舵が効かねぇ!」「船体が引き寄せられる!」


 敵艦同士がぶつかり、爆音が連鎖した。

 黒煙が上がり、炎が海上を染める。

 それでもなお、雷は止まらない。


 アリアが叫ぶ。

「トリス、魔力を使いすぎよ!」

「分かってる……でも、今止めたら皆が巻き込まれる!」


 トリスは歯を食いしばる。

 電流が掌を焼き、血が滲む。

 だが、彼は剣を下ろさなかった。


 その瞬間、アージェの咆哮が響く。

 銀の障壁が展開し、トリスの周囲を守る。

 矢が弾かれ、波が裂けた。


 「グルルル……!」

 アージェが踏ん張り、ノクスが影を駆けて敵船に飛び込む。

 影の刃が閃き、敵の帆綱を断ち切った。


 「よし……これで終わりだ。」


 トリスが深く息を吸う。

 全身から蒼光が立ち上がり、周囲の海が震えた。


 「これが、俺の、“決着”だ。」


 稲妻が刀に集束する。

 青白い光が一点に凝縮され、轟音と共に解き放たれた。


 《電磁誘導》それに加え、《覇帝戦技》!



 ズバーン!!


 海が割れ、波間に雷が走り、敵艦隊の中央を貫く。

 光と轟音が交差し、視界が真白に染まった。


 誰もが息を呑み、次の瞬間には――

 海に残っていたのは、黒煙と焦げた帆、そして静寂だけだった。



 港に戻ると、兵たちは歓声を上げていた。

 「勝ったぞ!」「雷神だ! 雷神が海を裂いた!」

 だが、トリスは静かに刀を鞘に戻す。

 掌は焦げ、指先はまだ痺れていた。


 アリアが駆け寄る。

「馬鹿……無茶しすぎ!」

「そう言うな。無茶しないと、終わらない戦もある。」

「……もう。」


 アリアはため息をつき、彼の手を掴んだ。

 焦げた掌を冷たい水で包み、傷を確かめる。

「次の戦でもこんなことしたら、ほんとに怒るからね。」

「その時は、ちゃんと怒られてやるよ。」


 二人の笑い声の向こうで、朝日が昇った。

 蒼い光が港と海を照らし、戦いの跡を黄金色に染めていく。


 リヴェール沖大海戦、勝利。


 だが、雷神トリス・レガリオンの瞳にはまだ、遠い空の向こうが映っていた。

 そこには、次なる戦場カローネ侯国本土の影が見えていた。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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