決着
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
稲妻がまだ空に散り、黒煙が港を覆っていた。
その中で俺は全力で叫ぶ。
「アリア! 留め具を狙え! アージェは脚を止めろ! ノクスは影から裂け目だ!」
怒号と炎の渦の中、仲間たちの影が弾けた。
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「ワンッ!」
アージェが飛び出し、銀光の障壁を展開。大地を叩き割るほどのバルドの突進を、脚にぶつけて強引に止める。
巨体と障壁が正面衝突。衝撃波で石畳が砕け、近くの木柵が吹き飛ぶ。
「ガハハッ! 犬風情がァッ!」
バルドの笑声と共に、戦斧が障壁に叩きつけられる。障壁がきしみ、銀の膜にひびが走る。アージェの足がめり込み、血がにじむ。それでも吠え、踏ん張った。
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「ニャッ!」
その隙に、ノクスが影の筋を駆ける。黒煙を縫い、巨体の背後へ一瞬で回り込む。
影から飛び出す爪が、鎧の隙間をかすめる――カチリ。
留め具の金属が震え、甲冑の下腹で小さな音を立てた。
バルドの動きがわずかに止まる。
⸻
「いまだ、アリア!」
俺の叫びと同時に、アリアが跳躍する。
「はぁぁッ!」
二刀が稲妻の残光をまとい、鎧の継ぎ目を斜めに裂いた。
ギィンッ! 金属を断つ甲高い音。火花が飛び散り、留め具の金属片が宙を舞う。
「トリス、今っ!」
⸻
「応えろォッ!」
俺は掌を突き出し、電磁の奔流を放つ。
青白い稲妻が渦を巻き、折れた槍や鉄片が一斉に宙へ舞い上がる。
鉄の渦が轟音を上げて回転し、バルドの腹部へ吸い寄せられる。
「ぐぬぅぅぅッ!」
巨体が斜めに引き上げられた。重甲が軋み、バルドの脚が石畳を削りながらもつれる。
石の破片が雨のように飛び散り、兵士たちが悲鳴をあげて避ける。
「倒れるぞ!」
⸻
アージェが脚を締め、ノクスが裂け目を抉り、アリアが二刀で押し広げる。
連携の刹那、バルドの巨体がついに膝をつき――港に地鳴りのような轟音が響いた。
群衆が一斉に息を呑む。侯国兵すら一歩引いた。
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だが。
「ガハハァァァ!」
大地を砕く拳。鎧の隙間から赤黒い蒸気が吹き出し、衝撃波が広場を揺らす。
バルドが無理やり立ち上がる。巨斧を杖にし、息は荒く、それでも笑みを浮かべていた。
「小僧……これほどの痛み……何年ぶりだろうな!」
笑声の奥に、焦燥と怒りが滲んでいた。
アリアが血を吐きながら叫ぶ。
「まだ立つの!? 信じられない……!」
俺は刀を握り直し、全身の震えを押さえつける。
(ここで倒し切れば、港が……いや、爆発的な反動が来る。巻き込めば民も仲間も危ない)
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バルドは俺を見据え、低く唸った。
「次は……必ずお前を叩き潰す。命を磨いておけ、小僧ォォ!」
そう言い残し、巨斧を肩に担いだまま後退する。
「退けーッ!」
侯国兵の怒声が重なり、撤退していった。
海の向こうで、黒い艦列は再び影となり、やがて水平線に溶けていった。
残ったのは、砕けた石畳、血と硝煙の匂い。
アリアは双剣を下ろし、アージェは荒く息を吐き、ノクスは影から現れて震える尾を叩いた。
港には人々の嗚咽と歓声が交錯する。
俺は刀《繋》を握り、
「……守れた。だが次は、必ず」
胸に熱い高鳴りを感じながらの、呟きだった。
評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!
初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




