リヴェール港の決戦、稲妻の刃
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
バルドの戦斧が振り下ろされるたびに、地が呻いた。
石畳がひび割れ、粉塵が煙幕のように舞い上がり、鉄と鉄がぶつかる轟音が鼓膜を突き破る。
その一撃一撃は、まるで小山が崩れ落ちてくるかのような重さだった。
「ぐっ……!」
俺は刀《繋》を斜めに構えて受け流したが、衝撃だけで腕が痺れる。
肩から肘までが麻痺したように動きづらく、ただ弾いただけで指先の感覚が失われていく。
「遅いぞ、小僧ォ!」
兜越しの怒声が港に轟く。
巨斧の軌道は大雑把に見えて、実際は緻密に計算されていた。
横薙ぎに払えば防壁の石が砕け、縦に落とせば味方を庇う槍兵ごと叩き潰す。
ただの力押しではない――歴戦の将の技と殺意がそこにあった。
「アリア!」
「分かってる!」
アリアが横から飛び込み、双剣を閃かせた。
刃が黒甲冑に突き立ち――ギィィン!と甲高い音を響かせて弾かれる。
火花は散ったが、傷一つすらついていない。
「そんな……効かない!?」
「ガハハ! 小娘の小枝で、この黒鉄を裂けるものか!」
バルドは戦斧を片手で振り回し、アリアを薙ぎ払った。
彼女は辛うじてバックステップで避けたが、頬に掠っただけで赤い血が滲む。
「ワンッ!」
アージェが吠え、銀の障壁を展開する。
衝撃波を受け止め、避難する民を守り抜いた。
だが障壁は波打ち、表面にひびが走る。
「アージェ……無理するな!」
その影で、ノクスが走った。
《影走り》で死角に回り込み、兜の継ぎ目を狙う。
だがバルドはまるで気配を読んだかのように片腕を振り返し、ノクスを弾き飛ばした。
「ニャアッ!」
影猫の小さな体が石壁に叩きつけられ、苦鳴が漏れる。
「ノクス!」
胸が焼け付くように熱くなる。
「どうした小僧ォ! 民を守るために立つなら、せめて俺を楽しませてみせろ!」
戦斧が再び頭上から振り下ろされる。
咄嗟に俺は掌を突き出した。
――バチッ!
青白い火花が走り、鉄片が吸い寄せられる。
バルドの戦斧が一瞬だけ軌道を狂わせ、石畳にめり込んだ。
「ほう……?」
兜の奥で赤い光が揺れる。
「魔術でも剣でもない……妙な術だな。ガキ、貴様……何者だ?」
全身に電流が走る。
制御はまだ拙い。だが確かに――電気が磁気を呼び、磁気が電気を呼び返す。
掌の奥で、何かがうねっている。
(……電気と磁気……これを繋げば……!)
その時だった。
視界の端で、港の鉄柵が震えていた。
俺の手から溢れた青白い光に反応し、柵の金具が勝手に軋む。
散らばった槍の穂先が同じリズムで微かに震え、砂に刻まれる小さな振動が、俺の心臓の鼓動と重なった。
(……見える。繋がってる……!)
「坊や、下がって!」
アリアの声に我に返る。
バルドの戦斧が既に引き抜かれ、暴風のように振り回されていた。
破砕音と共に石畳が砕け、破片が雨のように降り注ぐ。
「トリス!」
必死の叫びが飛ぶ。
アリアも、アージェも、ノクスも、時間を稼ぐだけで精一杯。
(このままじゃ押し潰される……だが――)
俺は奥歯を噛み締めた。
胸の奥に、電気の奔流がざわめく。
小さな火花が腕を走り、髪が逆立つ。
鼓動と同じリズムで、磁力が膨らんでは弾け、空気を震わせる。
(電気を……流せ。磁力を……繋げ。俺が束ねるんだ!)
青白い光が掌に集まり、稲妻の筋が石畳に走った。
バルドが一瞬、巨体を止めた。
「……ほう」
赤い瞳が細まり、低い笑い声が漏れる。
「面白い。ならば、その未熟な光で俺の斧を受け止めてみせろ!」
巨斧が再び振り下ろされる。
俺は恐怖に足をすくませながらも、一歩前へ踏み込んだ。
刀《繋》を握る腕に、電気と磁気の奔流を重ね合わせる。
稲妻と黒鉄の巨斧が交差する。
リヴェール港に、新たな轟音が走った。
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




