リヴェール港
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
潮の香りが濃くなり、馬の蹄が石畳を打つ音が街へと響き渡る。
俺たちはようやく――王国南東部の要衝、リヴェール港に辿り着いた。
普段なら魚市場の喧噪、異国の商人の歌うような掛け声で満ちているはずの港町。
だが今は、通りの屋台は閉ざされ、軒先の布も外されている。開いた窓からは、民が怯えた顔でこちらを見つめるばかりだった。
「……重いな」
俺が呟くと、アリアが小さく頷いた。
「うん。街全体が息を潜めてる。戦場に変わるのを、誰もが感じてるんだ」
その言葉を裏付けるように、城壁沿いには兵士たちが槍を構えて並んでいた。鎧の隙間から流れる汗が、光を受けて鈍く輝いている。彼らの視線が一斉にこちらへ向けられた。
やがて前方から二人の騎士が姿を現した。
白髪混じりの老将グラハム・ローデン。そして、まだ若き熱血の騎士レオン・ハーヴィスだ。
「トリス子爵!」
最初に声を張り上げたのはレオンだった。馬から飛び降りると、砂煙も構わず駆け寄り、拳を胸に叩きつけた。
「オルディア港を奪還なされたと聞きました! あの地はすでに侯国の旗で穢されていたというのに……民を救った功績、誰もが語り継ぐでしょう!」
その声に周囲の兵士たちがざわめく。「本当に奪ったのか?」「子爵殿が……!」と、半信半疑だった噂が確信へと変わっていく。
グラハムも続いた。馬からゆっくり降り、長い年月戦場を渡り歩いた重厚な視線を俺に注ぐ。
「……若き子爵よ。王命を胸に戦場を渡ってきた我ら老兵だが、正直、オルディアは間に合わぬと覚悟していた。だが貴公はそれを覆し、港を取り戻した。見事だ」
低く響く声に、兵士たちの背筋が自然と伸びる。
「いや、俺は……」
言葉を探しながら、オルディアで救った人々の笑顔が脳裏に浮かぶ。泣きながら抱きついてきた子ども、安堵して倒れ込んだ漁師たち。
「俺はただ、領民を守るために剣を振っただけだ」
その声が震えなかったのは、隣に仲間たちがいたからだ。
アリアは迷いなく二刀を腰に下げ、ミーナのような冷静さで俺を支える。アージェは鼻を鳴らして兵を安心させ、ノクスは影の中で警戒を続けている。
「だが!」
レオンがさらに声を張る。
「その姿こそが兵の心を奮い立たせる! 若き領主が自ら剣を振るうからこそ、我らもまた血を賭して戦えるのです!」
彼の言葉に、兵士たちが「おお!」と声をあげた。港に張り詰めた空気が、一瞬だけ熱を帯びる。
――だが、その熱気を冷やすように。
アージェが低く唸り声をあげ、ノクスが漆黒の尾を大きく揺らした。
海の向こう。暗雲のように広がる船影。
遠く水平線に、侯国の船団の帆がわずかに揺れているのが見えた。
「来るな」
アリアが小声で呟いた。
「ここが本当の戦場になる」
リヴェール港に到着したのを待ち侘びてたのは、領主リシャール・ド・リヴェール子爵だった。
やや憔悴の色を浮かべながらも、その眼差しは決意に燃えている。
「トリス子爵……オルディアを奪還したとの報せ、すでに聞き及びました。
南方の民を救ってくださったこと、王国の一人として、そして同じ領主として感謝します」
俺は首を振る。
「礼は不要です、リシャール様。次に狙われるのは――おそらくこのリヴェール港でしょう。
民を守るため、共に備えましょう」
リシャールは深く頷き、拳を握った。
「ええ。今度こそ、この港を奪わせはしない。共に戦い抜きましょう、若き獅子よ」
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




