仕組まれた理由
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
王都の片隅、レーン子爵邸の応接室。
分厚いカーテンが外の月を遮り、蝋燭の炎だけが三人の顔を照らしていた。
痩せた体を揺らす男爵――コルナ。
銀髪を後ろに束ねた壮年の貴族――レーン子爵。
そして異国の衣を纏った、カローネ侯国の密使。
「……くそったれが。あの孤児上がりめ。蒼晶に聖具に温泉まで、次々と富を抱え込みおって!」
コルナが声を荒げる。酒杯を握る手は小刻みに震えていた。
レーンは冷ややかに鼻を鳴らす。
「忘れるな、コルナ。我らは一度、奴に敗れた。マルケス伯爵を巻き込み利権を奪おうとしたが、計画は暴かれ、伯爵は失脚した。我らが証拠不十分で逃れたのは、ただの幸運に過ぎぬ」
悔しさに歪んだ顔で、コルナが呻く。
「だからこそ、今度こそ奴を潰さねば……!」
密使が口角を上げ、机の上の羊皮紙を指で叩いた。
「復讐と利権。両方を満たす策がここにある。侯国が“正義”を掲げる口実は揃っている」
レーンは淡々と羊皮紙を広げて見せる。
「一つ目は“禁制品の密輸”。侯国沿岸で押収された木箱には、トリス領の商会印に似せた刻印を刻ませた。目録と証言を揃えれば、十分に疑わせられる」
「二つ目、“水源汚染”。川に流された汚泥の痕跡と、鑑定書を仕立てた。領地が周辺の環境を脅かしたとなれば、王国は強く反応する」
「三つ目、“証人の証言”。港の労働者、商人、旅の傭兵、侯国が用意した者が口を揃えて、違法取引を見たと語る。時系列も場所も整えた。精緻に作れば、真実など容易く覆い隠せる」
密使は満足げに頷き、冷ややかな笑みを浮かべる。
「よろしい。我が侯国が王国会議に正式に訴える。
『トリス領は違法取引を繰り返し、秩序を乱している。侯国は国境防衛のためにやむなく動かざるを得ない』と」
その言葉に、レーンが頷いた。
「侯国が口火を切れば、王国は兵を出さざるを得まい。二度とマルケスの二の舞にはならぬ」
コルナが卑しい笑みを浮かべ、ぽつりと呟いた。
「……あの黒髪の娘も、どうせ奪われるのでしょうな」
密使の瞳が細まり、冷たい声が落ちる。
「無論だ。我が主の望みは女と富、そして王国の混乱。すべて手に入れる」
三人の杯が静かにぶつかり合う。
「侯国の船団は、すでに沿岸に集結している」
蝋燭の炎が揺れ、壁に映る影は、怪物のように絡み合い大きく口を開けていた。
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




