皇太子の温泉巡り
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テルマハルト温泉郷
湯けむりの立ちのぼる街は、今日ひときわ賑わっていた。
理由はひとつ、王国の皇太子殿下が直々に来訪されたからだ。
《双子座の水瓶》を組み込んだ奇跡の泉。その効果を、この目で確かめるために。
「……落ち着け、俺」
深呼吸して心を鎮める。
領主として幾度も人前に立ってきたが、皇太子を迎えるとなると話は別だ。
「大丈夫です、トリス様。胸を張ってください」
ミーナが眼鏡を押し上げ、きりりと笑みを浮かべる。
その横でアリアが軽口を叩く。
「緊張しすぎて噛むなよ?」
「おい……」
思わず笑いが漏れ、場の空気が少し和らいだ。
◇◇◇
やがて皇太子が湯殿へと足を踏み入れた。
威厳を漂わせながらも若々しいその姿に、従者も領民も一斉に頭を垂れる。
「これが奇跡の湯か……」
皇太子は湯面に指先を浸し、目を細めた。
「なるほど……これが奇跡の温泉、体と心に沁み渡るような清涼さがある」
従者たちは驚きの声を抑えきれず、テルマハルトの民は誇らしげに胸を張った。
俺も膝を折り、頭を垂れる。
「殿下にお喜びいただけるとは、我が領地にとってこの上なき誉れにございます」
皇太子はうなずき、俺を見据えた。
「領主トリス。若くしてこれほどの宝を見出し、領民に還元するその志、王国にとっても誇りだ」
胸が熱くなる。
だがその視線はすぐ、隣に控えるミーナへと移った。
「そなたが代官殿か」
「は、はい。領主様をお支えする立場にございます」
「若くして領務を担い、この地を支える才女――よく務めを果たしている」
「……勿体なきお言葉、身に余ります」
ミーナは平静を保ちながらも、頬をわずかに紅潮させて答えた。
◇◇◇
その場を、柔らかな笑みを浮かべた賓客が静かに見ていた。
海を隔てたカローネ侯国の貴族。
礼儀正しく名を告げ、盃を掲げる仕草は完璧だった。
「領主殿、代官殿。この湯に浸かれるとは、我らにとっても望外の幸せ」
そう言ってにこやかに一礼する。
ただの社交辞令、そう見えるはずだった。
だが。
その眼差しがわずかにミーナを射抜いたのを、彼女は敏感に感じ取っていた。
眼鏡を押し上げる仕草に、かすかな緊張が混じる。
「……どうかしたか?」
小声で問うと、ミーナは首を振った。
「気のせいかもしれません。ただ……視線が妙に熱かったように思えて」
俺も違和感を覚えたが、それ以上は考えなかった。
この柔らかな笑みの裏に潜んだ執着が、やがて大きな波紋を呼ぶことになる。
その時は、まだ誰も知らない。
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




