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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
犬と猫に振り回される領主兼冒険者

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覇帝戦技

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

蒼晶の眠る洞 三十層


 炎がふくらみ、両刃剣の軌跡が視界を埋めた。

 終われ――頭の奥に冷たい宣告が落ちる。

 俺は半拍、心臓の鼓動を前へ倒すみたいに踏み出した。


 剣、肩、腰、足。ばらばらだった線が、一瞬で一本の柱に重なる。

 刃と刃が噛み合い、火花が散ったのに、重さはもう怖くなかった。

 “束ねた”力が、そのまま押し返す。


「今っ!」

 俺の肩を踏み台に、アリアが半拍早く跳ぶ。

 二刀が黒鉄の合わせ目をなぞり、欠片が白く弾け飛ぶ。

 アージェが壁を起こして炎の裾を受け、ノクスが影から抜けて手首の筋を裂く。

 皇帝の流れが、初めてわずかに逆流した。


 胸の奥で、何かがカチと噛み合った。


 次の瞬間、視界の端に光の帳が開く。



《統合進化ログ》

発現条件を満たしました。戦闘中のため、戦闘行動を停止せずに統合進化を実行します。


【融合前スキル】

 ・覇剣術(Lv10)

 ・武王術(Lv10)


【判定】

 ・同時臨界:剣圧/体軸の一致(成功)

 ・指揮同調:味方2体以上との半拍同期(成功)

 ・覚悟閾値:支配干渉下での抵抗意思(閾値超過)


【統合結果】

 → 覇帝戦技はていせんぎ[レジェンド]


【中核効果】

 ・束芯そくしん:剣と体幹・脚力のベクトルを一本化。入力遅延を最小化。

 ・半拍先取:相手の連動命令の刻み(半拍)を逆用し、先行角で割り込む。

 ・伝勢でんせい:受けた衝撃を軸へ回収し、反衝として返す。

 ・連環:味方の攻撃と“角度・タイミング”を自動調整、合力を最大化。


【派生技(初期)】

 ・帝踏ていとう:一歩で間合いと体軸を完成、初手の主導権を確保。

覇継はけい:受け流した力を継いで切り上げる連鎖打ち。

王断おうだん:合わせ目や継ぎ目に向けた断ち割り。伝勢を乗せて装甲を破る。


【副作用/制限】

 ・長時間の連続使用で筋負荷増。冷却推奨。

 ・支配干渉が強い領域では半拍先取の誤差が拡大する可能性あり。


 光文字が霧のように弾け、戦場の熱気に溶けた。


(……来た。間に合った)


 黄金が近づく。

 カイザーの両刃剣がわずかに揺れ、頭へ刻めが落ちる。

 前衛・中衛・後衛、半拍ずつずれて迫る――あの波。

 耳で聞く前に、身体の芯がその波形を掴んだ。


「帝踏!」


 一歩。

 床のざらつき、足裏の重心、腰の回転、肩の抜き、手首の返し。

 全部が一本の“線”になって前へ出る。

 刃が皇帝の刃の芯を外から撫で、軌道を半枚ずらした。


「アリア、半拍早く 斜めっ!」

「了解!」


 覇継。

 俺が受けて“継いだ”力を、アリアの斜め二刀にそのまま渡す。

 黒鉄の襟元がギリと鳴り、装甲がさらに浅く欠けた。


 頭が震える。

 

 "押せ"


 前衛が楔の形で押し寄せ、後衛の矢が角度を変える。

 ノクスの影に火が落ち、浅くなる。


「アージェ、影を深く!」

「ワンッ!」


 アージェが銀の壁を床へ寝かせ、反射で周囲の影を濃くする。

 ノクスの瞳が細まり、影が深い穴に変わった。

 黒が走り、皇帝の肘裏に白い線が走る。浅いが確実な裂傷。


 カイザーの黄金が、はじめて微かに揺れた。


 "沈め'

 

 初めてのトリス達への命令で、魔力を通した命令がトリス達の膝が床に吸いつく。空気が粘る。

 だが今はわかる。伝勢。

 沈められた重さを軸へ回収し、刃へ乗せて返す。


「王断ッ!」


 合わせ目。

 俺の刃が黒鉄の“歯”に噛み、伝勢の圧がギリギリと押し進む。

 パキン。

 肩口の継ぎ目が一枚、確かに割れた。


 ダンジョンビューの向こうで、歓声が爆ぜる。

「割れた! 鎧が割れたぞ!」

「いける、いけるぞ!」

 祈る声、泣き笑いの声、名を呼ぶ声。

 遠いはずなのに、背中を押す熱として届く。


 皇帝の命令が、速く、短くなる。

 回れ。塞げ。散れ。燃えろ。

 波形が細かく刻まれ、半拍が四分の一拍へ崩される。

 支配の密度が上がる――でも、もう見える。

 刻みが細かいほど、間違えた刻みは大きくなる。


「細かく刻むほど、狂うぞ」

 俺は息を吐き、刃を下げ、また上げる。

 アリアの呼吸、アージェの低い唸り、ノクスの肉球が石床を叩く微音。

 連環が勝手に角度とタイミングを合わせてくれる。

 俺は“みんなの線”を束ねればいい。


「もう一度 帝踏!」


 前へ。

 カイザーの刃が下から上へ。

 俺の刃が外から内へ。

 半拍の前を滑り込み、芯をずらして覇継で持ち上げ、王断で打ち抜く。


 ガキィン!


 胸甲の合わせ目が深く裂けた。

 熱が漏れ、黄金の瞳が細く冷たくなる。


 頭の奥に、ひときわ鋭い意味。


 "終わらせる"


 両刃剣が逆手に返り、水平の炎が床すれすれに走る。

 アリアの足元で火が爆ぜ、アージェの障壁が悲鳴を上げ、ノクスの影が一瞬潰れる。


 (間に合え!)


 俺は半拍をさらに前へ倒し、肘から刃先までを一本の矢にして地面ごと切り上げた。

 伝勢。

 床を這う炎の圧を軸で受け、まとめて返す。

 炎が二つに割れ、細い道が生まれる。


「今っ!」

 アリアが滑り込み、二刀で肩の裂け目をこじ開ける。

 アージェが体当たりで皇帝の軸をわずかに傾け、ノクスが肘の裏を裂く。

 黄金の瞳が、はっきりとこちらを見た。


 "面白い".


「悪いが、ここで“支配”は折る」


 俺は剣を胸の前で立て直す。

 "覇帝戦技"

 発現直後にしては、“線”が怖いほど静かに通る。

 半拍、呼吸、鼓動、仲間。

 全部が一本の剣になった。


 皇帝が踏み出し、俺も踏み出す。

 刃が交差する直前、さらに深いところで何かが開きかけた

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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