灼熱の門を越えて
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
蒼晶の眠る洞 三十層
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階段を降りた瞬間、空気が変わった。
肌を刺す熱気。血と鉄と灰が混ざった臭気。二十九層の静寂は、この三十層のために張られた前触れだったと理解できる。
「……闘技場?」
アリアが弓を握りしめ、思わず呟く。
目の前に広がるのは巨大な円形の広間。
壁は黒く焦げ、地面には折れた槍や錆びた剣、そして白骨が散らばっている。
まるで歴代の挑戦者がここで散り、その残骸だけが積み重なってきたようだった。
そして、その奥。
粗末な岩を積み上げただけの玉座に――一つの影が腰を下ろしていた。
背丈は人間の大柄な戦士ほど。
ゴブリンキングのような圧倒的な巨躯ではない。
だが、普通のゴブリンよりも一回り以上大きく、無駄のない筋肉が全身に詰め込まれていた。
黒鉄の甲冑は体に吸い付くように装着され、動くたびに鎖が軋む音が広間に響く。
ただ座しているだけで、広間全体を支配していた。
巨体ではなく、凝縮された密度。
まるで刃を抜き放った瞬間のような圧が、俺たちの喉を締めつけた。
「な……なんだ、あれ……」
アリアの声が震える。
俺は息を吸い込み、前へ踏み出す。
――《真鑑定》
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《真鑑定》
名称:カイザーゴブリン
種別:支配種(ゴブリン上位進化)
危険度:Aランク相当
進化経緯:
・群れを束ねる王――ゴブリンキングが幾多の戦場を渡り、数えきれぬ血と勝利を積み重ねた時。
・その権威は「王」を越え、群れはさらに強き支配者を求めた。
・畏怖と信仰を吸い上げ、勝利の度に己を研ぎ澄ませ、ついには「皇帝」と呼ばれる支配種へと変貌した。
・それがカイザーゴブリンである。
能力:
・《皇命の咆哮》――咆哮により配下を狂信的に強化する。
・高い戦術知能を備え、状況を瞬時に把握して配下を指揮する。
・黒鉄甲冑は魔力を通さず、物理攻撃を大幅に軽減。
・中背ゆえに動きは俊敏。両刃剣に炎を纏わせ、広範囲を一気に薙ぎ払う。
弱点:
・腹部と背中の装甲は比較的薄い。
・ただし、その隙を晒すことはほとんどない。
⸻
光文字が消えた瞬間、息が詰まった。
ゴブリンキング――あの時の“王”ですら死闘だった。
だが今目の前にいるのは、そのさらに先。
群れの恐怖と憧憬を糧に生まれた、真の支配者。
「……カイザーゴブリン」
自然と名を呟いていた。
その名を聞き届けたかのように、広間の影がざわめいた。
赤い瞳が無数に浮かぶ。
数十、いや百を超えるゴブリンが岩壁の隙間から這い出してくる。
玉座の支配者がゆっくりと立ち上がった。
その瞬間――
「ォォォオオオ――ッ!!!」
地鳴りのような咆哮が広間を揺らした。
《皇命の咆哮》。
鼓膜を突き破るほどの衝撃に、配下の瞳が一斉に真紅に染まる。
その雄叫びは命令であり、宣告だった。
「ちっ……! 一斉に来るぞ!」
「ワンッ!」
「ニャッ!」
俺は剣を抜き放ち、仲間に叫ぶ。
「アージェ、正面を塞げ! ノクスは影から崩せ! アリアは数を削れ!」
地響きが迫る。
無数の刃が、雄叫びが、殺意が押し寄せてきた。
そして――三十層、“皇帝”の戦場で、俺たちの戦いが幕を開けた。
評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!
初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




