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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
犬と猫に振り回される領主兼冒険者

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静けさの前触れ

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

蒼晶の眠る洞 二十六〜二十九層


 二十六層

 広がるのは湿地と地下湖だった。

 岩に足を取られるたび、背筋を冷たい水が伝う。

 水面を割って牙水蛇ファングサーペントが十数匹、白い牙を剥き出しに飛び出してきた。


「前からくるぞ!」

 俺の声に、アージェが咆哮して障壁を広げる。蛇たちが弾かれ、水飛沫が雨のように降った。

 その瞬間を逃さず、アリアの矢が水面すれすれに突き刺さる。

「……外したら笑っていいわよ!」

「いや、今のは百点だ」

 蛇の群れは数分も持たずに沈黙した。


 二十七層

 今度は漆黒の樹海だ。

 頭上から羽音。甲殻を持つ巨大昆虫が枝を折りながら襲いかかってくる。

「ノクス!」

 俺の声と同時に、影が走った。ノクスが飛び出し、喉を裂く。アリアの剣が残った個体を払い落とす。

「多いけど、弱いな」

「……それが逆に気持ち悪い」

 樹海を抜けるころには、焦げた羽根の匂いが靴底にまとわりついていた。


 二十八層

 熱気が肌を焼き、硫黄の匂いが喉を刺す。

 岩陰から現れたのは、炎を背にまとった巨大なトカゲたちだった。

「熱風で矢を逸らされるかも。援護お願い!」

 アリアが矢をつがえ、俺は頷いて指示を飛ばす。

 アージェが突進を受け止め、ノクスが背後から目を狙い、矢が一直線に心臓を射抜いた。

「はは……悪いけど、楽勝ね」

「調子が良すぎる方が怖いな」

 額の汗を拭いながら、俺は思わずつぶやく。


  そして二十九層

 広大な洞窟に降り立ったが、敵影は一つもない。

 蒼晶の光が静かに壁を照らし、響くのは自分たちの靴音だけ。


「……変だ」

 アリアが低く呟き、弓を握り直す。

 アージェが牙を剥いて唸り、ノクスは影に潜りながらも落ち着きなく耳を動かす。


 俺の胸にも、冷たいものがじわじわ広がっていた。

 あまりにも順調すぎた。湿地も、樹海も、炎の洞も 手応えはあったはずなのに、勝負そのものはあっけなかった。

 まるで誰かが「通過を許した」かのように。


 空気が重い。岩肌に染みついた蒼晶の光が、不自然なほど静かに揺れている。

 耳を澄ませば、風の流れが階段の底から吹き上げてくる。

 その風が持ち上げるのは熱気だけじゃない――錆びた鉄と焦げた血の匂い。


「……感じるか」

 俺の問いに、アリアは頷いた。

「うん。何かが、待ち構えてる」

 彼女の声は震えてはいない。だが、その視線の鋭さがすべてを物語っていた。


 アージェが吠える。ノクスが低く喉を鳴らす。

 二人の従魔も、見えない敵を直感で察しているのだ。


 四層を駆け抜けるほど容易く進めた先――その報いを、三十層で受ける。

 そんな予感が骨の髄まで染み込んでいた。


「三十層、必ず何かがいる。今までの比じゃない相手だ」


 俺が口にすると同時に、仲間たちの目が一斉に光を帯びた。

 恐怖ではない。覚悟だ。


 暗い階段の先、灼熱の気配が俺たちを待っている。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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