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転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
犬と猫に振り回される領主兼冒険者

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奇跡の泉、調和の証

とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。

 ハルトンの館、大広間。

 机の中央に置かれた双子座の水瓶は、淡く光を放ちながら空気を張り詰めさせていた。


「……これが二十五層で得られた聖具か」

 ハルトンダンジョン都市の街長、エルマー・ドランが目を細める。

「真に冒険者を支えるための宝だな」

エルマーは感慨深げに呟いた。


「いや、温泉郷にこそ必要だ」

 セオドア・クラインがきっぱり言う。

「湯と組み合わせれば、療養所として領民も旅人も救える。テルマハルトはその役割を果たせる街だ」


「待て、農民を忘れるな!」

 グレインハルト穀倉街の若き街長、マルク・エイデンが身を乗り出す。

「毎日畑に出て倒れる者は多いんだ! 穀倉なくして領地は成り立たない。癒しが必要なのは俺たちだ!」


「おいおい、森の連中だって同じだぞ」

 ロックハルト森林街の街長、グスタフ・バルゲンが太い腕を組み、豪快に笑う。

「伐採も炭焼きも怪我の連続だ。森の汗がなきゃ薪も炭も回らねぇ。水瓶は森にも必要だ!」


 三者三様の声が重なり、広間が騒然となる。

 それぞれが正しい。だからこそ、決着がつかない。




 俺は静かに立ち上がり、広間の空気を断ち切った。

「俺の考えを聞いてほしい」


 水瓶を見据えながら言葉を紡ぐ。

「双子座の水瓶は、ハルトンダンジョン都市とテルマハルト温泉郷に置くべきだ。命のやり取りが多い冒険者を守り、療養の拠点として領民を癒す。二つを結ぶことで領全体を支えられる」


 広間にざわめきが走る。

 俺はさらに声を強めた。

「だが、ロックハルトやグレインハルトの民を置き去りにするつもりはない。皆の汗と命が、この領を支えている。だからこそ、四都市すべてが恩恵を分かち合うべきだ」


 街長たちが押し黙る。

 そこで俺は、横に控える少女に視線を送った。

「……ミーナ。どうすれば四都市が平等になれる?」



 ミーナは一歩前へ出て、眼鏡を押し上げる。

「領主様のお気持ちは正しいです。ですが、完全無料で解放すれば温泉郷の財政も人手も限界に達します」

 彼女は落ち着いた声で、しかし力強く告げた。

「ですかららまずロックハルトとグレインハルトの民に無料入湯券を配布します。その後は割引制度を導入し、継続して恩恵を受けられるようにします」


 街長たちがざわめき、互いに顔を見合わせた。


「なるほど……制度化されてるなら、森の民も納得するだろう」

 グスタフが顎を撫で、太い声で頷いた。


「無料券だと!? 農民たちは歓声を上げるに決まってる!」

 マルクが目を輝かせる。


 セオドアも静かに頷いた。

「持続可能であることが何より大事ですな。領主様とミーナ殿の案に異存はありません」


 最後にエルマーが口を開いた。

「冒険者たちも、領民が癒されると知れば安心して潜れるだろう。……これで決まりだ」


 広間の空気が和らぎ、皆が頷き合う。

 俺はミーナに目をやり、小さく頷いた。

「ありがとう。お前がいてくれるから、俺は理想を言える」


 ミーナはわずかに頬を染め、目を伏せた。



 数日後の午後

 

 ハルトン中央広場は人で溢れ返っていた。

 新しく建てられた大噴水の完成式典

 

 その中心に、領主である俺が立っている。


 石造りの基壇は既に整い、彫り込まれた紋様には魔力の導管が光を帯びて走っていた。


 そして、領民の視線は皆、俺の腕に抱かれた水瓶に注がれていた。


「これより、噴水の完成式を始める!」

 街長エルマーの宣言に、広場を包むような拍手が湧く。


 俺は深呼吸をひとつ置き、ゆっくりと基壇へ歩みを進めた。

 抱えた双子座の水瓶は、夜空の星座を閉じ込めたかのように淡い輝きを放っている。


「……行こう」

 小さく呟き、噴水の定位置へと水瓶を収めた。


 その瞬間。


 低く響く重音とともに、石造りの基壇全体が光を走らせた。

 内部に流れ込んだ水が一気に解き放たれ、轟音を立てて噴水の頂点から空へと舞い上がる。

 降り注ぐ水しぶきは七色の光を帯び、虹を描いて広場全体を包み込んだ。


挿絵(By みてみん)



「うわぁ……!」

「すごい……虹が!」

「息が軽い……身体まで楽になったぞ!」


「痛みが……和らいでいく……! 肩が、ずっと軽い!」

兵士が驚きに目を見開く。


群衆の中で老人が水を手にとり、そっと口に含んだ。

「……ほう……脚の疼きが、静まってきた……」

杖に寄りかかりながらも、穏やかな笑みを浮かべる。


それを見た周囲の人々は息を呑み、やがて拍手と涙が広がっていった。


 

 俺は壇上に立ち、両手を広げて声を張った。

「この噴水は、双子座の水瓶の力で流れている。四つの都市の民、誰もが恩恵を受けられるように設えた。冒険者も、農民も、森の伐採者も、温泉郷の客人も

すべてを癒す泉だ!」


「領主様、ばんざい!」

「トリス様、ありがとう!」

「奇跡だ! 奇跡の泉だ!」


 轟く歓声と拍手が空を震わせる。

 俺はその熱狂を正面から受け止め、静かに言葉を重ねた。

「俺は、この調和を必ず守り抜く。四つの都市の未来を、この泉と共に!」


 民衆の大合唱が返ってくる。

 その中心で、大噴水は虹を纏いながら、永遠のように輝き続けていた。

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

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