逆さの鬼蟹(ひっくり返し戦術)
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
蒼晶の眠る洞 第25層
「作戦は一つ。転ばせて、固定して、斬る」
俺は短く告げ、指を三本立てた。
「アリア、誘導役。右脚前の足場を削って“踏み外させる”。
ノクス、囮と視界ずらし。鋏の内側をちらつかせろ。
アージェ、決め手。倒れたら障壁で鋏と脚をまとめて押さえる。
俺がトドメだ」
「了解」「ニャ」「ワン」
甲殻鬼蟹が鋏を掲げる。広間の水面がぶわと盛り上がった。
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第一段:崩す
「右前、足元を悪くする!」
アリアが駆け、双剣で右前脚が踏むであろう床石を斜めに削る。
削れた石が崩れ、そこだけ斜めに滑る面ができた。
「ノクス、合図!」
「ニャッ!」
ノクスが影から飛び、巨大な鋏の隙間すれすれを横切る。鬼蟹の目がわずかにそちらへ寄った瞬間
「今!」
アリアが逆側へ走り抜ける。視線と重心が割れ、巨体の前脚が削れた縁に踏み込む。
ズルッ。
小さな音とともに右前脚が滑る。重心が崩れ、胴体が大きく傾いた。
「アージェ!」
「ワンッ!」
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第二段:返す
アージェが障壁を水平に展開する。傾いた巨体が脚を払い、反転するように腹を見せて倒れ込んだ。
ドシャァン!
広間に水柱が上がり、鬼蟹の腹側が露わになる。
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第三段:縫う(固定)
「鋏と脚をまとめて押さえろ!」
「グルルルッ!」
アージェが吠え、銀の障壁を広げた。巨大な両鋏がガチリと封じられ、さらに左右の脚の大半を環のような障壁が押さえ込む。バタバタ暴れても、爪先が空を掻くだけだ。
「一本は、私が!」
アリアが双剣を交差させ、一本の脚を関節ごと噛ませて楔にする。脚を引くたび、刃が深く食い込み、逆に自分を固める形になった。
「ニャアッ!」
ノクスがちょこんと残った脚の端に飛びつき、小さな前足で必死に押さえ込む。……正直、まったく効いてはいない。だがその姿は必死だった!
「ふふっ……可愛いけど、全然止まってないわよ」
「いいんだ。気持ちは確かに効いてる」
「ニャ!」
鬼蟹の巨体は、鋏も脚もほとんど封じられ、動けなくなった。
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最終段:断つ
「トリス、今よ!」
アリアの声に頷く。
狙うのは、《真鑑定》で見抜いた腹甲の弱点。
硬い甲羅の隙間に、逆三角形のように薄く柔らかい部分がある。
そこは呼吸のたびにわずかに膨らみ、腹の甲が薄くなり、硬さが消える瞬間がある。
俺は刀を構え、その“呼吸”に合わせて一歩踏み込んだ。
吸って——吐く。
刀身を寝かせ、柔らかい甲を斜めに裂く。
ズブリッ。
手応えは驚くほど軽い。刃は肉を貫き、奥の芯を断ち切った。
「仕上げる!」
力を前へ乗せ、切先で裂け目を広げる。
バキィィン!
甲殻が十字に割け、黒赤い体液が噴き出す。鬼蟹の全身が痙攣し、やがて力が抜けた。
ドゴォォン……!
わずかに浮いていた大きな鋏が水面を叩き、大きな波紋が広がる。
残ったのは静寂だけだった。
その瞬間、頭の奥に白い数字が浮かぶ。
【ステータス変化】
名前:トリス(18歳)
Lv:20 → 21
HP:1300 → 1380
MP:12500 → 13300
STR:190 → 198
VIT:175 → 182
AGI:205 → 212
DEX:235 → 243
INT:220 → 228
MND:190 → 197
LUK:300 → 310
「……上がった……!」
息を切らしながらも、全身に力が満ちていくのを感じる。
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アージェが障壁を解くと、鋏も脚も動かなくなっていた。
「……やったな」
俺は刀を払い、鞘に納めた。
「見事なひっくり返し。しかもノクスのおまけ付き」
アリアが双剣を回して収め、笑った。
「ニャッ」ノクスは胸を張って、尻尾をぴんと立てる。
「ワンッ!」アージェも低く吠え、仲間全員で勝利を確かめた。
⸻
鬼蟹が崩れ落ち、濁った水が静まり返る。
広間の水位が少しずつ下がり、波紋の奥に沈んでいた岩の間から淡い光が漏れ出した。
瓦礫をどけると、そこに古い宝箱が埋もれていた。蒼晶の光を反射し、鎖に刻まれた紋章がかすかに脈打っている。
「……宝箱?」
アリアが目を細める。
「ワンッ」アージェが吠え、尾を振った。
「ニャア」ノクスが低く鳴き、瞳を光らせる。
俺は慎重に留め金を外し、蓋を押し上げた。
中に収められていたのは、双子のように並ぶ二つの水瓶。
淡い光を放ち、まるで夜空の星を封じ込めたような神秘的な輝きだった。
「……ただの瓶には見えないな」
思わず息を呑む。
見ているだけで体の奥の疲れがじんわりと和らぐ気がする。
「でも、今ここで鑑定するのは無理だ」
刀を握る手に、戦いの余韻で震えが残っている。
集中を要する《真鑑定》をこの場で行うのは危うい。
「詳しくは街に戻ってからだな」
仲間の視線が合い、皆が頷いた。
俺たちは水瓶を慎重に収納し、崩れた広間を後にした。
死闘の果てに掴んだ報酬。その正体は、まだこれから明かされる。
評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!
初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




