孤児院へのお土産
酒場での晩餐を終え、仲間たちと別れた後。
トリスは包みを抱えて王都の裏通りを歩いていた。
布袋の中には、アルミラージの肉がいくらか詰められている。
「……これを、みんなに食べさせたい」
戦いの疲れはまだ体に残っていたが、その思いが足を前へと運ばせた。
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ほどなく、古びた教会を改装した孤児院の前に辿り着いた。
小さな窓からは灯りが漏れ、子どもたちの笑い声が聞こえる。
トリスはそっと扉を開いた。
「……ただいま」
「トリスだ!」
「おかえり!」
子どもたちが一斉に駆け寄り、トリスに抱きつく。
その無邪気な笑顔に、戦場の緊張が溶けていった。
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「今日は……お土産があるんだ」
トリスは布袋を掲げ、にっこり笑った。
「なになに!? パン!?」
「お菓子!?」
子どもたちの目が輝く。
「違うよ。アルミラージっていう魔物の……肉だ!」
「えっ、魔物のお肉!?」
「食べられるの?」
半信半疑の声が上がる中、孤児院の院長――温和な女性エリサが前に出た。
「まあ……トリス、あなたが狩ってきたのね?」
「うん、仲間と一緒に。……ギルドでも、美味しいって評判だったんだ」
エリサは少し驚いた顔をしたが、やがて微笑んだ。
「なら、ありがたくいただきましょう。みんな、今日はご馳走よ」
「わーい!」
「お肉だお肉だ!」
子どもたちの歓声が教会に響いた。
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台所では香ばしい匂いが立ち上り、やがて皿に盛られた肉が並んだ。
子どもたちは我先にと手を伸ばし、口いっぱいに頬張る。
「うまっ!」
「ほんとに美味しい!」
「こんなの初めて!」
その笑顔を見て、トリスの胸に熱いものが込み上げた。
(よかった……みんな、喜んでくれた……)
エリサがそっとトリスの肩に手を置く。
「ありがとう、トリス。あなたのおかげで、みんながこんなに笑ってる」
「僕は……まだ全然強くない。でも……守りたいんです。ここを」
トリスの言葉に、エリサは優しく頷いた。
「その気持ちがあれば、あなたは必ず強くなれるわ」
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子どもたちが笑いながら皿を囲む光景を眺めながら、トリスは強く拳を握った。
(もっと強くなる。仲間を守るために。……この場所を守るために!)
夜の孤児院は、温かな笑い声と香ばしい匂いに包まれていた。
初投稿です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。




