多重の策、絡み合う迷宮
とんでもないスピードで投稿を続けております。甘い蜜蝋です。みなさんよろしくお願いします。ランキング情報が日々出てきてワクワクしてます。ただ、投稿スピードが異常なのでこっそり修正もしております!ごめんなさい。
蒼晶の眠る洞 第十九層
十九層に足を踏み入れた瞬間、胸を圧すような重苦しさに息が詰まった。
道は縦にも横にも枝分かれし、壁はどこまでも同じように続いている。まるで巨大な蟻の巣の奥に迷い込んだようだ。
「……音が重なってる」
アリアが弓を構え、耳を澄ませた。
確かに――天井から羽音、地面からは岩を割る足音。
「上下から同時……挟撃だな」
「ワンッ!」
「ニャッ!」
警告と同時に影が飛び出す。
嘴が刃物のように尖った鳥の群れ――黒嘴鳥。
岩の背を持ち、地響きと共に突進してくる獣――岩背獣。
「アリアは上を抑えろ! アージェは下を受けろ! ノクスは影から翼を裂け!」
「了解!」
「ワォンッ!」
「ニャアッ!」
アリアの矢が矢継ぎ早に走り、急降下してきた鳥を落とす。
アージェの障壁が地鳴りを押し返し、ノクスは影を駆けて背に飛び乗り、翼を切り裂いた。
だが敵は狡猾だった。
「羽根が――来るぞ!」
黒嘴鳥が羽ばたき、鋭い羽根を弾丸のように飛ばしてくる。
雨のように降る刃を、俺は刀で弾き、アリアは二刀で払い落とす。ノクスは影に沈み、アージェは障壁を広げ仲間を覆った。
「くっ……視界を奪う気か!」
すかさず下から岩背獣が突進。地面を割る音が響く。
「アージェ、踏み鳴らしを押し返せ!」
「ワオォン!」
銀の壁が大地の震えをねじ伏せる。
「今だ、アリア!」
「任せなさい!」
二刀が閃き、獣の脚を切り崩す。体勢が崩れた瞬間、ノクスが影から飛び出し、喉を切り裂いた。
一体を仕留めた直後、通路の壁が轟音と共に動いた。
「分断だ!」
岩がせり出し、俺とアージェは下層へ、アリアとノクスは上層へ押し込まれる。
「トリス!」
「大丈夫だ! そっちは任せた!」
「ワンッ!」
「ニャッ!」
仲間の声が重なる。見えなくても、信じられる。
⸻
下層。
岩背獣が二体、同時に突進してくる。アージェが障壁を張り、俺は陰から合わせ目へ刃を突き込む。岩の背が裂け、血が飛ぶ。
上層。
黒嘴鳥の群れが一斉に急降下。アリアの矢が矢雨のごとく迎え撃ち、ノクスは影から翼を裂いた。羽根が舞い、床に落ちるたび悲鳴が重なる。
「トリス、無事!?」
「問題ない! アリア、右の通路に回れ!」
「了解!」
声は霧を越え、確かに届いた。二手に分かれていても、まるで一つの隊のように動ける、それが今の俺たちだ。
⸻
だが、敵は最後の仕掛けを放ってきた。
黒嘴鳥が羽根で視界を覆い、その陰から岩背獣が突進してくる。上下の連携。まるで俺たちの動きを真似するかのようだ。
「……合わせてきやがったか!」
しかし、"見えていた"
霧の揺れ、風の流れ、仲間の位置。全部が線で繋がっていく。
「アリア、羽根を撃ち落とせ! ノクスは翼を断て! アージェは突進を受け止めろ!」
「了解!」
「ニャッ!」
「ワォン!」
矢が羽根の雨を叩き落とし、ノクスが影から飛び出して鳥の翼を切り裂く。
岩背獣の突進はアージェの障壁に弾かれ、俺の刃が心臓を貫いた。
静寂。
最後の一体が崩れ落ち、霧が晴れていく。残るのは仲間の息遣いだけだった。
「ふぅ……終わったな」
刀を納めると、アリアが肩で息をしながら笑った。
「すごい……全部の動きが噛み合ってた」
「ワンッ!」
アージェが尾を大きく振り、
「ニャア」
ノクスは誇らしげに毛並みを整えた。
「十九層は、采配そのものの試練だった。けど……」
俺は仲間を見渡し、深く息を吐く。
「お前たちが応えてくれるなら、もっと先に進める」
胸の奥に、確かな自信が芽生えていた。
評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!
初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




