表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら孤児院育ち!? 鑑定と悪人限定チートでいきなり貴族に任命され、気付けば最強領主として国を揺るがしてました  作者: 甘い蜜蝋
犬と猫に振り回される領主兼冒険者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/279

ドワーフの元気な?おじいちゃん

転送陣を抜け、俺たちは蒼晶の街ハルトンダンジョン都市の広場に姿を現した。

 十層の節目を突破した腕輪が光を放ち、周囲の視線を一気に集める。


「おおっ……!」

「十層だ! 領主様が十層を突破したぞ!」

「見ろ、犬と猫……いや、進化体!? ユニーク種じゃないか!」


 驚きはすぐに歓声に変わり、子どもたちが駆け寄ってきた。


「わぁー! かっこいいワンちゃん!」

「ネコちゃん、影に隠れてる! すごーい!」


「ワンッ!」

アージェが胸を張って吠える。

「ニャア」

ノクスは影を揺らし、子どもたちの足元をすり抜けながら喉を鳴らした。


「きゃー! かわいい!」

 歓声に包まれ、広場の空気は一層明るくなる。



「……やっぱり、あなたは冒険者なんだな」

 ミーナが帳簿を抱えながら近づいてくる。


「領主の務めを忘れるな、って言いたいんだろ?」

「それもあるけど」

 ミーナは視線を広場に向けた。

「こうして“見せる”ことは、領主として大事なのよ。人は強さを信じ、秩序を信じる」


「なるほどな」

 俺はアージェとノクスを撫でながら頷く。



「領主殿!」「トリス様!」

「十層突破、おめでとうございます!」

「次は二十層だな!」


 素直な声援に胸が熱くなる。


「ありがとう。だが、これは俺一人じゃない」

 アリアに視線を送ると、彼女は小さく頷き、弓を直した。


「次はもっと見せつけましょう。私たちの力を」


「ワンッ!」

「ニャッ!」


 四人と二匹の声に、広場の熱は最高潮に達した。



 その夜、屋敷に戻ると。

「ふぅ……やっと湯に浸かれると思ったのにのう」


 玄関先で白い湯気を吐きながら、どっかり腰を下ろしている男がいた。

 背丈は俺の胸ほど、丸っこい体に真っ白な髭。

 一見ただの老人に見えるが、眼光は妙にギラついている。


「……誰だ?」

 俺が思わず警戒すると、老人はきょとんと顔を上げた。


「誰だとは失敬な! ワシはドワーフのドランベル! 鍛冶も工学も任せろ! ……で、温泉はどこじゃ?」


「おい、最後が本音すぎる」

 アリアが呆れ顔を見せる。



「なぜこの街に?」

 俺が問うと、老人はにこにこしながら語り始めた。


「そりゃ決まっとる。ワシは若い頃、あちこちの火山に鍛冶修行に行ったんじゃがの。どこも湯が熱すぎるか、硫黄がきついかで、ゆっくり浸かれんかったんじゃ……!」


「温泉目的……?」

「そうじゃとも! 湯の良し悪しを見抜くのも鍛冶の勘じゃ! 聞けばここは湯卵が名物で、温泉まで湧いてると聞く! こりゃもう、移住せんわけにはいかん!」


 老人は胸を叩き、さらに叫ぶ。


「ワシをここに住まわせろ! 代わりに! 街の工房も炉も、ぜーんぶ改造してやる! 蒸気炉も水車も、温泉を動力にできるんじゃぞ!」


 その声量に俺とアリアが思わず耳を塞ぐ。


「……ほんとに、ただの温泉好きじゃないのね」

「湯と鉄は相性がええんじゃ! 錆を防ぎ、熱を均す。ワシが手を貸せば、この街はもっと繁盛するぞい!」



 その時、ふとドランベルの体が「むくり」と膨らんだ。

 筋肉が盛り上がり、丸っこい老人が一瞬でマッチョな戦士のようになる。


「ぬおおおお! 気合が入るとこうなるんじゃあ!」

 豪快に笑い、ポーズを決める。


「……反則でしょ」

 アリアが呆れ半分でつぶやく。


「元気すぎるおじいちゃんね」

 ミーナは苦笑しながらも、目を輝かせていた。

「でも、工学技師としても鍛冶師としても優秀そう。領に迎える価値は大きいわ」



「……トリス、決めて」

 ミーナに促され、俺は老人に向き直った。


「条件は一つ。この街を豊かにするために、その力を貸してほしい」


「任せておけ!」

 老人いや、筋肉ドワーフのドランベルは、胸を叩いて快活に笑った。

「ワシは温泉に浸かり、火を愛し、鉄を打つ! それが生涯の喜びじゃ! この街は気に入った! 骨を埋めるつもりで働いてやろう!」


「……ようこそ、ドランベル」


「ワン!」

「ニャー!」


 アージェとノクスまでもが尻尾を振り、歓迎の声を上げた。



 こうして俺たちの街に、新しい仲間――温泉狂いで天才肌のドワーフ爺ちゃんが加わった。

 彼がどんな騒ぎを起こすかは、まだ誰にも分からない。

 だが間違いなく、この街をさらに面白くしてくれるだろう。


挿絵(By みてみん)


(十層を超え、街も仲間も進化していく)

(次は二十層、そしてその先へ――)

評価してくれると、とってもとっても嬉しいです!

初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。

AIをとーても使いながらの執筆となっております。

あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ