初陣 ― 銀と影、はじめての咆哮
蒼晶の眠る洞・3層。
壁に埋め込まれた結晶がほの青く光り、冷たい空気が肌を撫でる。
「……ここが、再始動の舞台か」
俺は手に馴染んだ刀を握り直す。肩には漆黒の影を纏ったノクス。隣を歩く銀毛のアージェが、低く「ワン」と声を上げた。
「緊張してるのはトリスの方ね」
アリアがからかうように笑う。矢筒を背負った背筋は真っ直ぐ、視線は迷いなく前を射抜いていた。
「彼らは立派な仲間よ。……私、もうメロメロだもの」
彼女がそう呟くと、ノクスが「ニャ」と喉を鳴らし、アージェは尻尾を振った。
⸻
通路奥、微かな振動。
「右前方。魔脈が乱れてる」
《魔脈感知》で地下の流れを探った瞬間、青白い光を帯びた蜘蛛が飛び出す。
《ルーメン・スパイダー》
発光で目を奪い、糸で絡め捕る厄介な魔物。
「アージェ!」
「ワン!」
銀の障壁が弾けるように展開し、眩い閃光を遮断する。
その隙にアリアの矢が、蜘蛛の腹を正確に貫いた。
「今よ!」
俺は踏み込み、刀で関節を断ち切る。崩れ落ちる蜘蛛の脚が床に散った。
⸻
続けて、冷気が漂う。
《フロスト・ピクシー》が小さな手を振り、床一面を凍らせてくる。
「ノクス、影渡り!」
「ニャ!」
影が揺らぎ、ノクスの姿が一瞬でピクシーの背後に現れる。
その合図に合わせ、俺は《弧線術》で短刃を放った。
弧を描いた刃が氷の核を裂き、氷結が解けて消える。
アリアは崩れた床を利用し、滑るように前へ。
「っ!」
剣を抜き放ち、氷の妖精を一閃。蒼い光が散って消えた。
「いい連携だったな」
「うん。アージェもノクスも、ほんと賢い」
アリアは二匹の首筋を撫でながら笑う。二匹は尻尾を揺らし、嬉しそうに鳴いた。
⸻
広間に出た瞬間、足元の“草”が蠢いた。
蒼晶の芝に見えたそれは、結晶殻を持つ蛞蝓の群れだった。
「数が多いな……」
「なら、《情報網》で連携を取る」
脳裏に仲間たちの視点が重なる。アリアの弓の射線、アージェの前脚の踏み込み、ノクスの影の位置、すべてが同時に見えた。
「アージェは正面を抑えろ。ノクスは左の群れを影から。アリアは核だけを狙え」
「了解」
「ワン!」
「ニャ!」
トリスからの覇気での援助を受けたアージェが群れを押し返す。
その背後からアリアの矢が核を穿ち、ノクスは影を渡って柔らかい腹を突いた。
俺は刀を振るい、《覇剣術》の感覚を研ぎ澄ます。
結晶化しかけた殻を断ち切り、増殖の芽を潰した。
やがて広間は静けさを取り戻し、砕けた結晶殻だけが散乱していた。
⸻
「……初陣、完了だ」
手を差し伸べると、アージェは額を押し付け、ノクスは喉を鳴らして応えた。
アリアが近寄り、二匹の頭を優しく撫でる。
「よく頑張ったね。これからもっと強くなろう。……私も負けないから」
蒼晶の光が仲間たちの影を長く伸ばしていく。
(ここからだ。俺とアリア、そしてアージェとノクス四つの力で、深層まで突き進む)
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




