テルマハルト温泉郷の発展
テルマハルト。
かつて何もなかったこの地に今や「足湯」や「桶湯」ができ、今や人の波が押し寄せていた。
「……やっぱり湯量が足りない」テルマハルト温泉郷の発展
ミーナが帳面をぱたんと閉じ、額に手を当てる。
「観光客は増えているのに、お湯を楽しめる人数が少なすぎるわ。宿泊業が伸びない」
「ふん、なら湯を増やせばいいだろ」
フレイアが腰に手を当てて言い切る。
「火と風で調整すれば、ちょろいものよ」
「簡単に言うなよ……」
俺は苦笑した。
「地下の湯脈は繊細なんだ。下手に弄れば湯が死ぬ」
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その時だった。
「クルルッ」
足元から土をかく音。顔を出したのは
モルネル。
以前は子犬ほどの大きさだったが、今は小さな子牛ほど。
ふっくらした体に、光る鉱石のような爪を持つ“モグラの幼聖獣”だ。
「おい、また穴掘ったのか」
カインが笑って頭を撫でる。
だがモルネルは鳴き声を上げ、地面をぐんぐん掘り進んでいく。
やがて戻ってきたとき爪に、熱を帯びた水滴をつけていた。
「……温泉脈だ」
俺は《真鑑定》を展開する。
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【真鑑定】
対象:地下温泉脈
結果:テルマハルト直下に“新規高温泉”を確認。水量安定。湯気成分は疲労回復・肌再生に良好。
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「やったな……!」
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ただし問題もあった。
湧き出たお湯は熱すぎる。触れれば皮膚が焼けるほどだ。
「なるほどね。ここで私の出番」
フレイアが指を鳴らし、火と風を操った。
「“炎を弱めるんじゃなくて、通り道を作る”。湯の流れを均すのよ」
地脈に沿って風穴を開け、熱の通りを調整。
沸騰寸前の湯が、次第に“ちょうどいい熱さ”に落ち着いていく。
「……すごい、本当に温度が安定してきた」
アリアが湯気に手をかざし、目を丸くする。
「これなら、誰でも入れるわね」
ミーナも頷いた。
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数日後。
石組みの浴槽に、とうとう新しい湯が満ちた。
村人も旅人も一斉に駆けつけ、湯煙の中に歓声が響き渡る。
「はぁぁ……夢みたいだ……!」
肩まで湯に浸かった老人が涙ぐむ。
「もう“足湯村”じゃねぇ、“温泉街”だ!」
若者たちが声を上げる。
「温泉卵に、温泉湯治。観光客はもっと増えるぞ!」
宿の主人が嬉しそうに笑った。
⸻
夜。
新しい露天湯の縁に腰を下ろし、湯気を眺めながら俺は呟いた。
「モルネルのおかげで湯脈が見つかり、フレイアが温度を整えた。……ここを“領の誇り”に育てよう」
「当たり前よ」
フレイアが胸を張る。
「炎は人を守るためにあるんだから」
「温泉街の商売は任せて」
ミーナが帳面を抱え、さらりと微笑む。
「ブランド化すれば、王都でも“テルマハルトの湯”で通じるようになるわ」
「いいな、それ」
カインが笑い、豪快に湯をかぶった。
「……また一歩、前に進んだな」
俺は湯煙越しに月を見上げた。
テルマハルトは、ただの村ではない。
温泉郷として、新しい歴史を歩み出したのだ。
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




