凱旋と決意
王都・廷議での裁きから数日後。
俺たちは領地へと戻ってきた。
街道を進む馬車の窓から見える景色は、どこか懐かしく、そして誇らしい。
湯けむりが立つテルマハルトの山並み、森を抱えたロックハルト、黄金の穂が揺れるグレインハルト。
その中心、俺たちの始まりの村、ハルトンが見えてきた。
「領主様だ! 帰ってきたぞ!」
「勝ったんだって! 王都で!」
村の入口には、すでに人だかりができていた。
子どもたちは走り回り、大人たちは手を振り、老人たちまでも涙ぐんでいる。
「……あったかいな」
アリアが小さく呟く。
「当然だろ。命懸けで領を守ったんだからな」
カインが胸を張る。
「ふふ、帰ってくる場所があるっていいものね」
フレイアは豪快に笑った。
「トリス様!」
ミーナが帳簿を抱えたまま前に出る。「皆、待っています。壇に立って、言葉をください」
俺は深呼吸し、集会所の壇に立った。
⸻
「みんな....ただいま!」
その一言で、わっと歓声が上がる。
涙を拭う者、両手を掲げる者。胸が熱くなった。
「王都での廷議、俺たちは勝った。
マルケス伯と黒衣商会の企みは暴かれ、領地の秩序は認められた。
……だが、これで終わりじゃない」
静まり返る空気の中、俺は一歩前に出る。
「ここから先、俺たちはただの“村”ではなく、“街”へと育たせる。
ハルトンダンジョン都市、テルマハルト温泉郷、ロックハルト森林街、グレインハルト穀倉街。
それぞれが“領の柱”となる。俺は領主として、その未来を約束する」
沈黙。
次の瞬間
「おおおおっ!!」
歓声が爆ぜた。
「街になるんだって!」「本当に……!」
村人たちの目が輝いている。
⸻
「さて、俺だけの決意じゃ足りない。仲間の声も聞いてくれ」
俺は後ろを振り返った。
アリアが前に出る。
「私は、剣と弓を捨てません。領主を守るため、そして街を守るために、必ず敵を倒します」
カインが拳を握りしめる。
「俺は鍛冶だ。もっと強い武具を、もっと立派な建物を。俺の槌で、この街を形にしてみせる!」
ミーナが帳簿を高く掲げる。
「私は商を仕切ります。数字で未来を描き、誰もが安心して暮らせる市場を作ります」
フレイアがにやりと笑って手を挙げる。
「あたしは火だ。温泉も鍛冶も祭りも、火がなきゃ始まらない。派手に燃やして、みんなを笑わせてやるわ!」
⸻
俺は改めて村人たちを見渡す。
「俺たちは一人じゃ弱い。でも、皆が揃えば街になる。
3年後、この地を“領の誇り”にしてみせる。だから一緒に進んでくれ!」
「おおおおっ!!」
再び歓声が上がり、拍手が鳴り響く。
温泉の湯気と、村人たちの熱気が混じり合い、空は黄金色に染まっていた。
(ここからが始まりだ。影に怯えるだけじゃない。俺たちが陽をつくる)
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初投稿作です!みなさんおてやわらかにお願いします。
AIをとーても使いながらの執筆となっております。
あと、AI様にお絵描きをお願いするのにハマり中です。




