表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

西瓜どろぼうをつかまえろ!

とんとむかしのこと。


西瓜すいかづくりの名人がおった。みんなからは、うりぼうと呼ばれておった。


今年もまた丹精込めた甲斐があってまことによくできた。


形もツヤも極上だ。もちろん美味しさもほっぺが落ちそうなほどだ。


「いやあ、たくさん汗をかいた甲斐があったわい…」


とおおよろこびだが、大変なことがおきた。


だれか知らんが、毎夜、毎夜畑にしのびこみ、西瓜をぬすむ不届きものがおる。


しかも、畑の中でもよくできたものを、である。


「ええい! さてもさても憎いヤツじゃ。こうとられてはかなわん!にくったらしいヤツじゃ!つかまえたら、そいつの頭でスイカ割りじゃあ!!」


あくる日の朝、畑を見るとまた、やられていた。


「その場で食わず、持ち帰っている…おまけに足跡が大きい…。つまり、犯人はどうぶつではない」


ニヤっと笑い、さっそく仕事にとりかかった。


「相手が人間なら…」


うりぼうは、ワラ人形を五体ほどこしらえた。大きさも自分とおなじくらい。


それに野良着を着せ、頬かむりもさせ、じぶんの畑へと担いでいった。


立ったワラ人形、座ったワラ人形、木の棒をもったワラ人形…………


それぞれいろんな体勢だったそうな。


パン! パン!


「では、カカシどの! 畑の番をたのみますぞ!」


これを見ていた村の衆は、首をかしげる。


「スズメやカラスならともかく、人間が盗むというのに…なんになるというのか」

「アイツは知恵者ときいていたが…とんだ買いかぶりだったようだ」


みんなくちぐちに話す。あっちでもこっちでもあきれた声がする。

しかし、うりぼうは…


「そうじゃ、そうじゃ、村のみんな…。その調子じゃ。その調子でこれは人形だとあきれてくれ。笑っておくれ。そっちの方がうまくいきそうじゃ…」




そうこうしているうちに夜になった。空には星が十もない…。


うす暗いが、ドロボウにとってはやりやすかろう…。


夜中になると、ぬぅ~っとあらわれる黒い影。なにやら声がする…。


「おほほぉ、今宵もいい西瓜がある。どれ…これと…これと…」


するとそのまた後から、ぬ~っと黒いカゲ。今度はまぁまぁ大きい。


ポカリ!


どろぼうの頭を思いっきりどついた。


「? だれだ!」


「そらぁ、おらのセリフだぁ!」


そこにはカカシが立っておった。なんと格好は畑のカカシといっしょ。


「カカシのおばけだぁ~」


どろぼうは逃げようとした。


しかし、あわてて逃げたため、西瓜につまづき、すってんころりん。


あっという間にどろぼうはおなわになった。


「お~い、みんなどろぼうをつかまえたぞぉ!」

「おお! よかったな! しかし、どうやってとっつかまえたんだ?」

「なぁに、昼はカカシが、夜はおらが見張りをしていただけじゃ」

「なるほどね…」


あはは、あははと夜の畑にわらいごえがこだました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ