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第三部 捜した先は

 「一体全体、何処行ったんだ?ツーハ」

ライトは腕を組んで辺りを見回した。

「とりあえず、この通りを探すか」

フウワがそう言うと、皆は手分けして通り沿いの店に聞いて回った。

「えーっと、空飛んでる光狐で……」

「すみません、知りません」


「空飛んどって、食いしん坊なんやけど……」

「見た目は?」


「オレンジの耳と尻尾、水色のスカートに上は……そうそう、白いシャツです」

「知らないねぇ。あ、そうだ。人探しなら、交番に行ってみたら?」

(ギルド様になんて言われるか分かんないからやめとこ……)


という調子であった。その中で、フウワは人で賑わう店を見つけた。

「なんだあれ」

近寄ってみると、銭湯であった。

「確かにデケェけど……。まだ風呂には早い時間だが」

(一応聞いてみるか……?)

フウワは丁度近くにいる人に尋ねた。

「光狐の女の子見かけませんでした?」

「見てないわね」

「あと、なんでこの時間帯にこんなに……?」

「ああ。それわね、受付の子目当てなの」

フウワは礼を言い、立ち去ろうとしたが、

「いでよ!ブロッコリーマーン!」

という声が中から聞こえて来、慌てて出口の方から中の人に声をかけた。

「どう致しましたか?」

「中に女の子いますよね?会いたいんですけど」

女性は後ろを向く。

「アロさん!探しに来た方がいらっしゃるんですけども?」

「あららぁ。すまんなぁ。テルちゃんと遊んで貰っとったんよ。こっちや、上がりぃ」

「お客様には敬語で話して下さいよ!」

「ええやん」

フウワは案内された通りに進んで行き、一つの部屋に案内された。

「ツーハー!」

そこにいたツーハはフウワの元に駆け寄る。

「フウワさん!」

「さん!」

『テルちゃん』がツーハに続いた。

「ツーハちゃん、すまんかったなぁ。テルちゃん、テルルちゃんはいっつもこんなんやねん。引き取り手もおらんし、うちで預かっとるんやけど、すぐどっか行って暴れんねん」

『アロさん』はテルルの頭を撫でる。

「じゃあね!テルル!おいちゃん!」

「おいちゃんやなくてアロンや、アロさんや」

とツーハは出て行こうとするが、テルルがフウワの尻尾を引っ張った。

「いてっ!」

「いく!」

テルルは泣きながらそう言った。

「あかんて。迷惑かけるやろ?」

「アロンさん。自分らは預かれますけど。ちゃんとした家に引き取って貰えばイタズラも無くなるでしょうし」

アロンはテルルに話しかける。

「テルちゃん、どっちがええ?」

「テルちゃん……ねーねほしい」

テルルはゆっくりと答えた。

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