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第五部 お頭と跳躍

 どこからとも無く鉄の棘だらけな塊が飛んできた。エントはツーハを抱えたまま避ける。

「ツーハ、よく、聞いとけっ。逃げた、あいつら、捕まえ、て来い」

「あいよっ!」

ツーハはエントが高く跳んだタイミングで飛び立って行った。エントはまた避け続ける。しかし、だんだん量とスピードが上がって行く。

(浮いて歩けとでも言うのかよ!)

と思ったが、変な足の動きで歩いている為スリックバックが無意識のうちに完成していた。意味のない事だが。

「お前、浮いてるのか?」

思わず相手が尋ねてしまった。忍者集団のお頭がスリックバックなど知っている訳が無い。エントですら知らない。

(えっ?俺、浮いてんの?やっぱ今日持ってる?俺)

だが、前向きになったので寧ろ良かったのかもしれない。

「というか出て来いよ!」

「のこのこと出て来る忍者はただの馬鹿だ」

エントは少し考えた末、大きな火球を作った。

「これで、出て来ーい!」

そして、地面にぶつける。すると、炎は押し出される様に広がり、森を焼いてしまった。

(ソウマに怒られる事しちまった……)

ついカッとなってやらかしてしまうのもエントという生き物である。

「随分と大胆な事をしてくれるではないか」

しかし、現れたお頭はノーダメージであった。

「デカっ!」

とエントが思わず言ってしまう程の巨体だ。

「そもそも、この集団は防御力の低い奴の寄り集めだ。忍者に怒られそうなものだが、勿論忍術の心得のある者もいる」

エントは気付いた頃には飛ばされていた。

「な、何が?」

エントは慌てて体勢を整える。

「速さはまずまず、と言った所か。兄が速さ勝負をしてくれるからでは無いのか?」

(なんでだ……?なんで、兄者の事……)

「そして、先程飛んで行ったのは妹だろう。まだ小さいが、戦いの才能はある様だな」

(怖っ!筒抜けじゃん!)

「これほどの情報収集、あの短気でも出来る」

お頭は斬りかかって来た。エントはあえて受ける体勢を整えた。刀が振り下ろされてすぐ、エントは横に跳んだ。勿論刀もついて来るが、それすらも振り切った。

(横跳びであんな距離移動出来るのか……。やはり情報収集だけでは足りなかった様だ)

今度はエントが攻撃の為突進するが、軽々と避けられてしまう。

(攻撃に上手く使えねぇ……)

お頭は再び同じ攻撃を仕掛けて来た……が、横から勢い付けて来た。しかも、その高さは飛び越えられそうに無い。

(どうする……?一瞬でも考えるのを止めたら終わりだな……)



みんなのくせ④

 アインのウェーブ髪は地毛であり、本人はストレートが良いらしい。

 また、かなり長いので運動の邪魔になりそうだが、本人はロングにこだわっている。

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