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第三部 野菜泥棒

 時は進んで、五月となった。ソウマもかなり馴染んできた様で、今日はフォニックス本拠地に遊びに来ている。しかし、その和気藹々とした雰囲気を一変させる事が起こった。ドアがノックされ、郵便配達かと思ったアインはドアを開ける。そこには幼い少女がいた。ライトやエントの様な茶色い目、耳掛けショートボブの金髪にオレンジがかった耳と尻尾。無垢な視線がアインに向けられた。しかし、なぜかアインはいい顔をしなかった。

「らいにい、えんにい!つーはきたよ!」

彼女の名前はツーハ。ライトとエントがやって来る。

「ツーハ!一人で来たのか?」

「つーはがんばってとんできた!」

ライトにそう答えるとツーハは宙に浮いた。彼女は決して妄言を吐いている訳では無いのだ。

「一体どうしたんだ?」

エントの問いかけにツーハは真面目な顔をする。

「つーはのごきんじょさんでやさいどろぼうでた。みんなこまってるからやっつけてほしい!」

たどたどしい発音ではあるが割ときちんと話したツーハの頭をライトが撫でる。ツーハは嬉しそうに尻尾を振った。フウワが遅れてやって来る。

「妹か?」

「ああ。……父親は違うけどな」

ツーハはライトが手を離すと再び浮かび、全員に手招きした。

「こっち!つーはがあんないする!」

アインにスインが話しかける。

「ライト君の妹なんやったら、悪い人ではない筈や。子供に罪は無いで」

「……分かったよ……」

アインはツーハに付いて行く。いつの間にかソウマもいて、真面目な顔をしていた。ツーハはショボウ町の端までは順調に飛んでいたが、そこを過ぎるとエントにおぶってもらっていた。エントは不満そうだったが、まだ五歳の少女だ、あまり多くを望まない方がいい。やがて、ツーハ達が暮らす屋敷が見える町に着いた。割と長距離で、まだ戦っていないのにエントはへとへとになっていた。少し遠くで騒ぎ声が聞こえた。一同は急いで駆け付ける。行ってみると畑の前で女性がかなり怒っていた。

「どうしましたか?」

「野菜泥棒にやられたの!これで六回目だわ!まだ小さかったのに!」

「ちなみに野菜泥棒は?」

「あの森に逃げて行ったわ!」

一同は女性が指差した森に行こうと畑の前でしゃがみ込んでいたソウマを呼ぶ。

「ソウマ!行くぞ!」

「分かった」

一同は森の内部へと入って行った。森は間伐などの管理が行き届いているのか木が整然と並んでいた。奥へ進むと、洞窟があった。入り口が簡易的に塞がれていて住居の様であった。



キャラクター命名秘話⑦ ソウマ

 ソウマも結構単純でしたね。

「草」+「マ」

 次回も今回登場したキャラクターです。

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