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第五部 初心な国王

 数時間後。ギーヨが自室の机に突っ伏しているのを、キョウが発見した。

「大丈夫ですか?頭から湯気が出てますけど!?」

ギーヨは起き上がって身なりを整える。

「いや、な、なんというか、その、あの、えーっと……」

「分かってますよ。ギーヨ様がす「ギーヨ!来てやったのにどーゆー事だ!」

「キワル!?あっ、今日建国記念日でした」

「そうですよ!挨拶もありますからね!」

「はぁい」

ギーヨは部屋を出た。すると、怒った犬の国の国王、キワルがいた。

「もっと感謝しろや!」

「うるさいですね。考え事をしていただけです」

三人は客間へ向かった。

「どーよ、最近」

「どういう事ですか?」

「どうせ国王辞めたいと思ってるんだろ?」

「……」

「お前がなるって聞いた時逆にビビったぜ。なるしかなかったんだろうが」

「……キワルに隠し事は出来ませんね」

「ハッハハ!まー、長い付き合いだしな。あとギーヨ、お前、今アオハル真っ只中だろ」

ギーヨは頭からボンと蒸気が出た。

「分っかりやす。オムギさんの言葉忘れるんじゃねぇぞ?」

キョウだけが首を傾げた。

「はい……」

その時、また誰かがやって来た。

「ストキさん!?」

「ご無沙汰しておりました。おかげでもう妻の話のタネが「「結構です」」

バッサリ断った二人だった。

「相変わらずだな、ストキさんは。奥さんも呆れてるだろうに」

「ええ、もちろん。ですが、ツンデレなので「それならあの方も負けてません!「乗るんじゃねぇよバーカ!」

(国のトップたちの会話とは思えない……)

「ギーヨさん、あなたお相手が二十歳になるのを待っていますね?」

「え、あ、え?」

「で、国王を辞めて告白すると」

ギーヨはショートして倒れた。

「あらら。初心ですねぇ。でも、そんな猶予はあるんですか?見合い話も来始める頃でしょうに」

キワルがギーヨを叩き起こした。

「結婚までは行かなくても、後悔はしない様にして下さいね」

「えぇ……無理ですよぉ」

「昔の弱虫に戻ってやがる」

「全力を尽くせば、想いは伝わりますよ。それに、相手の気持ちなんて分からないでしょう?」

「ギーヨ様!」

キョウはギーヨに何か手渡した。ギーヨは封筒を見て固まった。

「か、家宝に……」

「馬鹿ですか!ただのハンカチですよ?す「分かってます!しかし、こんなの……」

「ああ面倒くせぇ。男って本当馬鹿だな」

「あなたはあなたの師匠と同じ事をおっしゃりますね」

「そうですかね?馬鹿一号さん」

「手厳しいですね」

それは、珍しく国王たちが揃った一時だった。

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