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プロローグ あの場所へ

 「……アイン、アイン」

誰かが私を揺さぶっているのが分かった。私はまだ寝ていたかったけれど、観念して目をうっすらと開けた。

 

「おはよう。今日、あそこ行こや」

スインがアインを起こし、そう言った。すると、アインは起き抜けの頭を回し察した。

「……そっか、そうだね」

「ごめんなぁ。いつもよりちょっと早いけど、こんぐらいから行っとかんと、一日つぶれてまうし」

アインは布団を潔くはがし、支度をし始めた。スインはその様子を特に何かを言う訳でも無くぼんやりと眺めていた。


 一階へ行くと、既に三人いた。

「どっか行くのか?」

「ちょっとね」

「私たちに付いて来て欲しくない所なんだよな」

「うーん、やけど、隠す様な事やないし、伝えてかなあかんかもな」

「そうかも」

「そうなのか?じゃあ、兄弟起こして来るかな」

フウワが二階へ向かうと、テレビが見えた。なんの変哲もないニュースだった。

「五年後の時までは、やっとったのに」

「仕方ないよ。珍しい話じゃないし」


 そして、六人で歩き始めた。一月の、寒い朝だった。皆は姉妹の雰囲気を感じ取り、一言も話さなかった。しかし、厳かな雰囲気でやり通せないのがこの話である。エントが暗さのせいで木の根に足を取られ転んでしまった。

「何やってんだよ!」

「すまん、すまん」

しかし、姉妹にとってはそれが良かったようだ。

「なんや、緊張がほぐれたわ。ありがとうな、エント君」

「え?あ、ああ、どうも」

「姉さん」

「そやな、行かな」


 そうやって辿り着いたのは、海岸沿いにある崩れた煉瓦造りの建物たちがある場所だった。

「ここって、あの場所か」

フウワは知っていた様だ。

「そう。そして、私たちの故郷」

「七年前……だっけ?」

とソウマが言うと、二人は頷く。

「そうそう。光逆戦争が起こった場所」

それで残りの二人もピンと来た様だ。

「ゲームばっかしててニュース見てなかった俺でも知ってるぐらいだからな、相当のだったって話だろ?」

「そう……なんやな。ほら、建物とか、道とか見てみ」

焦げていたり、血痕があったりで、当時の様子をありありと伝えている。

「こんにちは」

皆の背後から声がした。振り向くと、ギーヨであった。

「ギーヨ様、お久しぶりです。おせちどうでした?」

「アインさん。美味しかったですよ」

「ギーヨ様が来てる……?」

「光逆戦争は、僕にとっても大切な出来事ですから。当時の自分の不甲斐なさを思い出させてくれます」

そんな時、ソウマが急に後ろに跳んだ。

キャラクター設定㉕ ツムギ

 とにかくオムギの対称にすることを意識してみました。

 改訂版では、もっと出してあげたいですね。自分も癒されるので。

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