第二部 六人目
灰色の目に藍寄りでマッシュの黒髪、そして黄緑色の耳と尻尾。しかし、何より彼らが驚いたのは、子供っぽい顔立ちと身長。驚きが隠せず固まる彼らをその男は訝しげに睨む。
「誰ですか?僕の友達が怪我して戻って来たのもあなた方のせいだったり?」
なんとかエントが事情を話す。
「えっとな、俺らは依頼を受けてここまで来たんだ。息子を探して欲しいっていう」
「それならお引き取り願います。生憎帰る訳にはいかないので。母には無事だったとお伝え下さい」
キッパリと断られてしまい、エントは何も言えなくなった。しかし、ライトは何故か目を輝かせていた。
「あいつら全員と友達ってすげーな!お前強いんだろ!だったら、俺らと一緒に来ないか?庶民を助ける戦闘集団『フォニックス』で一緒に戦おうぜ!」
全員がギョッとした。
「僕はこの山を降りる気は無いので」
「だって、お前いい奴そうだし、それに……」
ライトは小屋の奥に隠れている小動物を見やる。
「案外寂しがりだ」
彼の瞳が揺れる。
「名前は?」
「……ソウマ」
「じゃあ、フォニックスには?」
「……君がそこまで言うのなら、入ってもいい。だけど、ここの動物の世話はさせて欲しいし、とりあえずはここに留まるよ。君の名前は?」
「ライトだ!」
「ライト、君と他の人達がどんな人間か確かめさせて欲しい。急にやめても、文句は言わないでね?」
そう言って微笑んだソウマは優しげだった。
「じゃあ、またな!」
「うん、依頼が入った時は呼んで。駆けつ」
勢いよく突っ込んできた鷲を見て言葉を切ったソウマはそれから逃げ始めた。
「だ、大丈夫か?」
「ぼ、僕、鳥が苦手なんだけど、懐いちゃって……。またね!みんな!」
ソウマは更に奥へと走って行った。
「さあ!降りるぞ!みんな、つ「馬鹿!普通初対面の奴誘わねぇよ!」
ライトに被せて来たのはフウワ。ライトは逆にキョトンとした。
「いいじゃん。仲間は多い方が楽だろ?」
「そう言う問題じゃねぇよ!あいつが完全に白とも言い切れないんだぞ?」
「まぁまぁ。大丈夫やって」
二人を宥めるスインと、呆れているアイン。落ち着いた二人は改めて辺りを見回す。
「「あれ?エントは?」」
その瞬間、チーターに追われているエントが目の前を通り過ぎたのだった。
「よし、帰ろう。あいつは放っておいても帰って来れるだろうし」
皆は山を下り始めた。エントが後から怒りつつ付いて来た。
「置いてくなー!」
「お前がチーターにちょっかいをかけたのが悪いんだ」
「あれは事故!」
何はともあれ、最初の依頼、完了である。
キャラクター命名秘話⑥ ギルド
ギルド様はそのままです。
「ギルド(同業者組合)」
次回は今回初登場のあの人です。