第四部 新メンバー
夕方頃。普段熱戦を繰り広げている戦士たちは、『新年会』や『帰省』という強敵を相手にし、力尽きていた。もちろん、ソウマとコウは例外だが。
「おい……いつもの体力はどこ行ったんだよ……」
コウすらも呆れかえる有様である。
「ほら、服買いに行って試着してるとそんなに動いてないのに疲れるだろ……?あれみたいなもんだ」
ライトが普段の勢いをすっかり失いながらも説明した。
「ご飯いいの?」
皆はのっそりと起き上がり、食卓に向かった。
翌日。いつもの調子に戻った皆の元に、あの人がやって来た。
「二日になりましたが、新年明けましておめでとうございます」
ギルドである。そして、やけに笑顔だ。皆は徐々に察し始めた。
「安心してください。任務ではありません」
皆は見当はずれで驚いた。
「少し、気になる集団がありまして。ブラックスという、あまりセンスを感じない名前なのですが」
スインは思い当たる節があった。
「最近、少しずつ勢力を広げてきているのです。主な活動として、人攫い、破壊行為、略奪などです」
「つまり……」
「この先、戦う可能性が大いにあるという事です。しかし、トップ層の者たちは真の強敵である上に、他の者でも今のフォニックスを一人で全滅させられる実力者が多数います。そこで」
「そこで?」
「私の方から、一人派遣します。午後辺りに来ると思うので、待っておいて下さい」
ギルドはそれだけ言うと、消えてしまった。
午後。皆はソワソワし始めた。やがて、ドアが大きな音を立てて開けられた。
「あっ、壊れた!すんません!」
いきなり土下座をしてきた。皆が困惑する中、フウワは
「あー、これ、こうやったら直るぞ」
と手慣れた手つきで直してみせた。
「ありがとうございます!」
「えーっと……」
「あ!カルロウって言います!よろしくお願いします!」
短髪で赤と青のオッドアイであった。
「カルロウちゃんでええの?」
「なんでも良いです!」
「敬語じゃなくていいぞ?」
「いいんです!敬語が私の常用語です!」
「お前、強いのか?」
「分かりませんけど、これ使います!」
カルロウは眩い赤と青の宝石を出した。
「硬いんですけど、すぐ消えちゃうんですよ……」
「アインの対抗馬やろか?」
「そ、そうかも。負けてそうだけど」
「よっしゃ!よろしくな!」
「はい!えーと、どっちがライトさんですか?」
「こっち」
「似とるもんなぁ。耳で見分けるんやで」
「はい!改めてよろしくお願いします!」
それは、更に賑やかになった午後だった。
キャラクター設定㉔ カルロウ
カルロウは勢いだけで生きてる人です。改訂前にはいませんでした。乞うご期待!




