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プロローグ 戦闘時の感情

 フウワはそのまま司令塔の目の前まで来た。しかし、着地時の隙を狙われた。岩が飛んで来、フウワは空中なので避けられない……と思われた。人間究極に追い込まれた時普段は絶対出来ない様な事が出来てしまうのである。フウワは後ろに足を伸ばして岩の側面に足を横に付け、右に飛んだ。司令塔はご満悦といった様子だった。

「機転が効くな。お前、割と前から戦いをしているだろう」

フウワは驚く。実際に、フウワはとある人に戦いを教えて貰った事がある。その後はその人の元で戦っていたのだが、その人は旅人で、何処かへ行ってしまったのだ。フウワは気を取り直し、素早く司令塔の後ろに回り込み蹴り飛ばした。司令塔はゆっくりと戻って来る。

「そろそろ本気を出すとするか」

そこからはお互いぶつかり合い、飛ばされ合いの熱戦であった。互いに極限まで疲弊した時、司令塔は鳥も驚く程高い岩の壁を発生させ、フウワに向かって倒した。勿論避けられる様な大きさではない。渾身の一撃の様だ。

(これを全身に……!妖力は気にしなくて良い!)

「お互い最後の一撃だ!」

フウワは自ら前に進む。そして、壁にぶつかる。段々と岩が抉れて行く。しかし、上からもジワジワと狭まって来ていた。フウワはより一層強くした。すると、その壁は穴が空き、そのまま司令塔にぶつかって森の奥深くまで押し込んだ。


 フウワの通り道は木々が倒れ地面は抉れ道となっていた。そして、相手は倒木に巻き込まれた。

「最低だな」

フウワはそれだけ言って険しい顔で立ち去ろうとした。しかし、美しく光る石を見つけ、なんとなく拾った。すると、声が頭の中で響いて来た。

『良い戦いだった。悔いはない。だが、次はお前のライバルとして会いに行こう。絶対だ。それまで、首を洗って待っていろ』

フウワは不思議な事を体験した。だが、心の中で意味もなく返事をした。


 二人は無事(本当は有事だが)何事も無かった事にして帰った。既に月が光っていた。家の手前でフウワは言った。

「綺麗な月だな」

「そうだね」

ドアを開けると、皆が安堵した表情で出迎えてくれた。

「とりあえず食え食え」

ライトに押し込まれる様に、二人は食卓につき、食べ始めた。

そんな中、フウワは

(あんな気持ちで大声出したのは、初めてかもしれないな)

と思い肉じゃがのじゃがいもを口に運んだ。

「ちょっと大き過ぎませんか?大丈夫ですか?」

イネイが不安気に聞く。

「大丈夫だぞ?」

どうやら、イネイが切ったものの様だ。


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