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第五部 いよいよ司令塔

 既に日は頂上を越して降りて行くだけだった。二人と一匹は普通に歩いて行った。そして、普通に四人の前に立った。

「馬鹿じゃないの?なんで奇襲とかしないのさ。数でも力でも不利なのに」

司令塔を守っている三人のうち一人にそう言われた。

「力でどっちが有利かは……()ってみないと、分からないだろ」

前半はいつもの方、後半は赤い方で言い放ったソウマを、相手は白い目で見る。

「ペットと女連れて、何言ってるのさ」

フウワは相手を睨み付けるが、飛び出さない様ロルが制止した。

「三人は俺だけで十分だ。司令塔を頼む」

ソウマは返事を待たずに行ってしまった。しかし、司令塔から引き剥がすのに苦戦している様だった。フウワが行こうとするも、ロルが加勢しに行った。フウワは一つ、深呼吸をした。様々な思い出が頭の中を駆け巡る。

「よっし、来いやーー!」

司令塔はフウワの元へ自分からやって来た。少し、嬉しそうだった。

「俺の部下が失礼した。あいつはまだまだ未熟でな」

「問題ない。私の仲間がボコボコにしてくれるだろうさ」

「俺は戦いを楽しみたいんだ。お前はその希望に答えてくれる様な気がしてな」

フウワは驚く。

(日常的なものだし、あんまり何も思った事無かったが……楽しむか。私は果たしてどうなんだろうな)

フウワはテールハンドを出す。相手はフウワが来るのを待っている様だった。フウワは突っ込む。しかし、地面から大量に『生えて来た』岩に阻まれる。フウワはテールハンドで薙ぎ倒しながら進む。

「やはり俺の勘は間違っていなかった様だな」

フウワはその勢いのままテールハンドを振りかざすが、綺麗にスッパリと切られてしまった。毛の塊なのでノーダメージだが、主要な攻撃手段を失ってしまった。フウワは必死に頭を回す。

(今までテールハンドに集中させてた風の力を全身に……いや、消費量が多過ぎる。ライトみたいに早く走れる訳でも、スインみたいに完璧な狙撃が出来るわけでも無いもんな。どこか一つでも強められたらな……って、ん?じゃあ、テールハンドみたく足を強化したらある程度は速度アップ出来るし、蹴るだけでも中々だよな。なんでこんな単純な事に気付かなかったんだ?)

ちなみにここまで思考を進めるのにかかった時間は一秒である。フウワは走り出した。より軽やかに。

「その適応力は、戦士ならではだな」

相手はより早く多く岩を生やした。しかし、フウワは綺麗に避ける。更に、上に飛び乗って飛び石の様に移動し始めた。

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