プロローグ またもや動物
一同が登山道を登っていくのを見て、何者かが素早く上に登って行った事を、全員気づいていなかった。やがて、開けた所に出た。レジャーシートなどを敷いて弁当を食べる為人工的に設けられたスペースの様だ。しかし、そこには気が立っている様子の動物が五匹いた。狼と虎、ライオン、ゴリラ、鷲という何故山にいて共存できているのか不思議な面子だ。全員が一斉に散り、自然な流れでライトは狼、エントは虎、スインはライオン、フウワはゴリラ、アインは鷲と戦う事になった。フウワは真っ先にゴリラを蹴ってダウンさせてしまった。その強さに驚く間も無くスインがライオンの急所を打ち抜き倒してしまった。ライトとエントは少し手こずっている様だ。二人はずっと協力して戦って来たからだろう。そして、一番気がかりなアインは氷の礫を飛ばすも易々と避けられてしまっていた。困り果てるアインにフウワは近づく。
「恐れずに行け!上手く近づいて蹴りでもすれば倒せる!鳥はすばしっこいが脆いからな!幸い相手は近接攻撃だ!」
動物が遠距離攻撃を出来る訳が無いのだが、そこは敢えて突っ込まないでやって欲しい。今自分で間違えたと気付いても訂正し辛くなっている所なのだ。鷲は突進しようと一気に急降下して来た。
「うわっ!」
アインは驚いた拍子に氷の壁を出して自分を包み、鷲はそれに衝突して倒れた。フウワとスインは予想外の結果に驚きつつも男子二人の方を見やった。エントは丁度倒したが、意外にもライトが一番苦戦していた。狼はライトの攻撃を美しく避けて行く。そこでスインが援護すると、急所は外したが足にダメージを受け動きが鈍ったお陰でようやく倒す事が出来た。スピード自慢のライトからしてみれば、少しショックな出来事だったらしく、一瞬落ち込む素振りを見せたがすぐに誤魔化した。フウワがライトの勝利を確認すると直ぐに先へと行ってしまったので、四人は慌てて付いて行く。
「ちょっと待ってくれてもいいじゃんか!」
エントはフウワに追いつき抗議する。フウワはエントを睨みながら返す。
「午後からの任務だ。山の日が落ちるのは早い。うかうかしてると帰り真っ暗だぞ」
理にかなった言い訳に誰も言い返せなかった。静かなまま少し登ると手造りした様な質素な小屋があった。誰かがいる気配がする。一同は身構え、ライトがそのドアをノックした。すると、足音が近付いてきて、カチャリという音と共にドアが開いて人が姿を現した。
キャラクター命名秘話⑤ フウワ
フウワは風要素を入れながら男と女両方に感じそうな名前にしました。
「風」+「ワ」
次はあのちょっと怖い上司です。