表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/185

第三部 ひとまず変えた事

 パシュッと、静かに相手を撃った。

「おぉ、成程」

撃ったのは相手の足だった。相手は体勢を崩し、エムルは相手を蹴り飛ばした。

「手か足を狙って撃てば、殺しはしないけど戦意を無くさせるには丁度良いもんね。でも、全然容赦はしてないね。あの人次また立てる様になるか分からないよ?貫通しちゃってる訳だし」

「……難しい」

「それか、いっその事……」

エムルは相手に歩み寄るが、途中で立ち止まる。

「おっと。それじゃあ本末転倒なんだった」

エムルはスインを見る。しかし、すぐ右を向いた。

「やれやれ。やっぱり、そう簡単には出してくれないみたいだ」

ゾロゾロとやって来た相手に、エムルはうんざりしている様だった。

「こっからは流れ作業だ。さっさと片付けて、とっとと帰ろう」

スインはエムルがそう言っている間に二人倒した。

「わーお、流石だね」

エムルもそれに劣らない速度で倒して行く。結局、全く苦戦せずに倒してしまった。

「楽勝すぎるのもつまんなくて嫌かも」

エムルは口を尖らせた。スインはそのまま出て行こうとしていた。

「帰り道、知ってるの?スインちゃん」

スインは黙っていたが、連れて行ってもらう事にした。

「おんぶしてあげようか?」

「自分で歩く」

「僕の事嫌い?」

「嫌い……やないけど、なんとなく」

「じゃあ、こうしよう」

エムルはヒョイとスインをお姫様抱っこした。スインが戸惑う暇も無く、エムルは走り出した。真っ直ぐに森に入ると、崖に遭遇した。スインは回り道するだろうと思っていたが、エムルは躊躇う事なく飛び降りた。スインは大きな衝撃が襲って来るだろうと身構えていたが、エムルは背中を地面につけて跳ね返る様に起き上がった。

「びっくりした?これが僕の特殊能力なんだよ」

エムルは再び走り始める。今度は川があった。

「結構太いなぁ。仕方ない、こうしよう」

エムルは岩で橋を作った。

「上手やなぁ」

「鍵の方が大変だったよ。細か過ぎるし、ちょっとでも間違えればアウトだし」

エムルはずんずん進み、遂に見慣れた通りに辿り着いた。

「本音を言えば、もっとこうしてたかったよ。折角会えたんだし。まぁ、嫌われるのはごめんだしね」

エムルは何かを素早く書く。

「これ、僕の連絡先。きっと、割と早くにまた会えると思うよ。じゃあね、スインちゃん」

エムルはそのまま去って行った。スインは通りを歩き始める。やがて、フォニックス本拠地が見えて来た。

「みんな、心配かけたなぁ」

しかし、中にはコウしかいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ