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第二部 二つの追跡

 「え?」

ライトも首を傾げる。

「私の特殊能力は“嗅覚”です!きっと見つけられる筈です!」

エントは何処かに行った。

「でも、元になる匂いが無いと駄目なんですけどね……」

イネイは申し訳なさそうに言う。

「これならどうだ?」

エントが戻って来てそう言った。エントは図書室の椅子を持っていた。

「これ、ソウマが毎日座ってるやつなんだ。きっと、匂いも付いてる」

「なんで知ってんだ?怖っ」

「うるさい兄者!ソウマから聞いたんだよ!」

イネイはすんすん匂いを嗅いだ。

「新緑みたいな匂いです。ふむふむ、ここからこう移動して……」

イネイは玄関のドアを開け道に出る。

「こちらに行った様です」

イネイは右を指差した。

「朝から何があったんだ?」

そうしているうちに、フウワが来た。ライトが一切の事情を話すと、急に深刻な顔になり、イネイに近付いた。

「なるべく早く案内してくれ!放って置けばまた無茶するに決まっている!」

「は……はい!」

フウワとイネイは走って行ってしまった。

「追いかけなくていいのか?」

「まだ二人が起きてないからな」

「でもどうやってあいつらを追いかけるんだ?兄者にはそんな能力無いだろ?」

「いや、なんとなくソウマの行方が分かる気がするんだ」


 フウワは息を切らしながら目的地に辿り着いた。

「……今山か。でも、わざわざ抜け出してまで行くか?」

「行ってみれば何か分かりますよ」

二人は登山道を利用して登り始める。すると、威嚇する様な鳥の鳴き声が聞こえた。

「気を付けろ。来るぞ」

フウワがイネイを守る為隠れさせると、見覚えのある鷲が突進して来た。フウワはそれを間一髪で避けた。鷲はそのまま突っ込んで行き、木をへし折った。

(スピードも威力も格段に上がってやがる……)

鷲が次の攻撃をする為に体勢を整えている間に、フウワはテールハンドによる一撃で倒してしまった。

「凄いです!」

「全然だ。一度倒した相手だしな」

二人は再び登って行く。その後も様々な動物に遭遇したが、フウワはなんとか大怪我をせずに済んでいた。

「大丈夫ですか?」

「これくらい、別にどうって事は無い。血も止まってるしな」

二人は広場に着いた。二人は驚いた。


 「ごめんなぁ。起きるの遅くて」

こちらでは二人が起きて来た。

「いやいや、いつも通りだし」

「場所、分かってるの?」

「ああ。ついて来い。ソウマが色んな事ほっぽかすぐらい大事なものって、あそこだと思うんだよな」

ライトが走り出すと、皆は不安ながらも付いて行った。

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