第二部 二人目撃破
スインの狙撃が蛇を襲うが、蛇は全く動じずスルリと全て避けてしまった。そして黒曜石を飛ばしたが、アインがつくった氷の壁で防がれる。スインはそこに隠れつつ撃ち合いをした。ここが荒野であったら狙撃手同士の撃ち合いに見えたかもしれない。
「このままじゃ埒があかないよーっ」
蛇は苛立って来たのか飛ばす速度を上げた。氷の壁にヒビが入り始める。しかし、スインに慌てている様子は無い。
「アイン、今や」
その瞬間、蛇の真横から巨大な氷の礫が発射され、見事に当たった。蛇はそのまま倒れた。
「ちゃんと倒せてるよね?狸寝入りとかじゃ無いよね?」
しかし、アインは落ち着きが無かった。そんなアインに、
『大丈夫よ。気配は誤魔化せ無いから』
とチーナが言うと、ようやく喜び始めた。
「まぁ、他にもおるかもしれやんからあんまり長居も出来やんのやけどな」
しかし、スインはそう言って戻ろうと歩き始めていた。
「……姉さんはブレないね」
アインは結局スインに付いて行った。
「なんか壁が動いてる!」
「お前が明らかに怪しいボタン押したからだろ。責任取れ」
一方、三人はエントが押してしまったボタンのせいでセキュリティが発動し、ピンチを迎えていた。左右の壁が中心に向かって迫ってくる。
「走って突っ切るか?」
「「それが出来るのはお前だけだ!」」
ライトの提案を二人が口を揃えて却下した。
「仕方ない。壁、ブチ破るぞ」
フウワはテールハンドを出した。そして、右側の壁にヒビを作った。外壁の時の様に同じ所に何度も打撃を打ち込む。しかし、壁は人一人がギリギリ立つ事が出来る程度の狭さになっていた。
「間に合わ無いぞ!」
「全員で同時に攻撃するぞ!」
各々が一斉に全力の攻撃を打ち込んだ。壁は壊れて三人は隣の部屋に転がり込んだ。
「いてて。何とか脱出出来たな」
その部屋では、一人の女性がティータイムを楽しんでいた。三人は急に申し訳無い気持ちになった。
「……なんか、すみません」
その女性は三人を不思議そうに見た。
(あれ?狼じゃなくて犬だ)
ライトはそう思った。ちなみに犬と狼の見分け方は目だ。狼はつり目で若干切れ目気味だが、犬の目はクリクリしている。
「他の国の方ですね。王の噂を聞いて来たのでしょう」
「あ……はい」
その全てを見透かす様な臙脂色の目に、エントは完全に萎縮してしまった。
「……確かに、あの方のしている事は褒められる様な事ではありませんしね」
女性は諦め切った様な顔を見せた。
フ
「…………………………」




