第五部 一人目撃破
かなり捨て身な方法を選んだソウマだったが、相変わらずすごい耐久力をしている。先程ノーガードで火の玉を当てられた筈なのに、火傷していないどころかくるしそうな顔一つしていない。
「こ、こいつ、化け物か!?」
とうとう相手に化け物呼ばわりされてしまった。
「人間だよ。でも、別に慣れてなんとも思わないかな」
ソウマはそう答えると、つたで相手を拘束し始めた。避けられそうだが、どこから出て来るのか分からず捕まってしまう様だ。しかし、同時に“とんでもないもの”も呼び込んでしまう事となった。ハエトリソウが誰かに殴られた。
(なんだ……?この人。ハエトリソウを一撃で……?)
ハエトリソウは枯れてしまった。見た目からも異常な程の力が伝わって来る。
「何があったのかと思って来てみれば、こんなチビに苦戦してたのかよ。お前らは他の所へ行け。こんなの一人で十分だ」
男はソウマを技も使わずに殴った。あまりの素早さに避ける事が出来なかったのだ。ソウマはあっさりと吹っ飛ばされ住宅の壁にぶつかった。
「つまらん奴だったな。他のはもっとマシだと良いんだが」
男はその場を去ろうとしたが、誰かに足を掴まれた。
「このチビ、諦めを知らんのか」
男は足を振ってソウマを落とそうとするが、全く無意味だった。
「一人の時なら、きっと動かなかったよ。でも、今はみんながいる。お前の相手は僕だ……!」
「満身創痍だというのに、よくそんな事が言えたな」
「どんな格好でも、戦意を捨てない限り負けにはならないよ」
ソウマはハエトリソウを出した。男は再び殴ろうとしたが、つるが全身に纏わりつき動けなくなった。
「こんなもので俺を足止め出来るとでも思ったか?」
男はつるを引きちぎりながら動き出す。
「そうすると思ったよ。でも、僕は一人じゃないんだ」
「意味が分からんが、とりあえずお前は徹底的に倒させてもらう」
男はそう言うと再びソウマを吹っ飛ばし、壁にのめり込まさせたかと思えば、更に追撃し、また壁に……を繰り返し、本当に死ぬまでする気の様だった。しかし、突如ソウマは腕を掴んだ。
「無駄な足掻きはやめておけ。余計に苦しくなるだけだぞ」
流石のソウマも傷だらけだった。
「いや、無駄じゃ、無かった、みたいだ……」
「龍王斬り!」
男に炎で出来た龍が降りかかる。技の主はヒノガだった。
「なんだ、この、技は……」
男はその一撃で倒れてしまった。
「凄いね」
「それより自分の心配をしろ」
気まずそうな顔をしたソウマだった。
レ
「…………………………」
キャラクター設定㉑ オスコ
オスコは冷酷な性格をイメージしました。また、バトルスタイルもアインとの違いを出す様にしました。
次回はありません。




