第四部 プールだ!②
ライト、エント、アインははしゃぎ始め、スインはそれを温かく見守っていた。残りの二人はウォータースライダーをしに行っていた。
「デッカいな。掃除するのが大変そうだ。それに、かなり急だぞ。溺れたりしないのか?ソウマ」
フウワは皮肉などない純粋な気持ちでソウマに尋ねる。
「大丈夫だよ。ほら、僕よりも小さい子供……」
ソウマは改めてその子供を見る。ライトにどことなく見ている横顔……ツーハだった。
「おい!ツーハ!フウワだ!」
ツーハは振り向いて駆け寄って来た。
「あそびにきたの?ライにいは?」
「流れるプールではしゃいでやがる」
「このウォータースライダー、そのプールの隣まで滑ってくみたいだから丁度いいんじゃない?」
ソウマがそう言うと、ツーハは目を輝かせた。
「ほんと?やったー!フウワさんいっしょに「断る」なんでよー!」
ツーハは拗ねてしまった。
「フウワさん、なんでそんなに嫌なの?」
「……ソウマがやってやれ」
目も合わせず応えたフウワに、ソウマはそれ以上の言及をしなかった。
「じゃあ、僕と一緒にやってくれる?」
「うん!」
「フウワさん、先行ってるね!」
「ああ」
二人が滑っていくと、フウワは一人でウォータースライダーを滑った。しかし。
(大丈夫だよな?勢いで底まで行ったりしないよな?溺れないよな?)
そう、フウワは、案外心配症なのである。その証拠に、壁に手を当ててゆっくりゆっくり滑っている。幸い後ろはいなかったので衝突はしなかったが。
「ちゃんと着水できた……」
フウワがほっと胸を撫で下ろしていると、そこにはシャラトがいて、困った様に眉を顰めていた。
「姉さん知らない?あの人目を離して隙にどっか行っちゃったんだよ」
シャラトは溜息をついた。
(学校一年目とは思えんな……)
「ツーハならあの流れるプールにいると思うぞ。ライトに会いたいらしくて」
「ありがとう。ライトさんがいてくれて助かったよ。そこに留まっててくれるから」
「今日は二人で来たのか?」
「うん。姉さんが行きたいって言い出してね」
シャラトはツーハを探しに行った。フウワも流れるプールへ行った。すると、しょぼくれているツーハと怒っているシャラトがいた。ライトが必死に仲裁しようとしている。
「ライトさんに仲裁なんて向いてないよ。ソウマさんに任せなよ」
アインがそう言うと、ソウマはツーハに近づき、何かを話し始めた。ツーハがシャラトに
「もうきゅうにどっかいきません。ゆるしてください」
と言うと、溜息はついたが許してくれた。
キャラクター設定⑮ レイナ
レイナは気が強いのを前提として、被らない様にエントとあんな絡ませ方をさせてみました。
次回もこれです。




