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プロローグ 草属性の仕組み

 ソウマは一気に彼女との距離を詰め、蔓を出して彼女の腕に巻き付けた。彼女は蔓を凍らせたが、ソウマの狙いはそこだった。ソウマは振り返ってフウワと目を合わせる。二人にとって、合図はそれで十分であった。彼女にテールハンドの打撃が直撃する。

「……ずる賢い奴らだ……」

彼女は立ち上がったが、明らかにダメージを受けていた。

「そうだよ。……少なくとも、僕はね」

彼女は目を細めると、辺りの気温を急激に下げ始めた。ちゃっかり出て来たエントが身震いをした。

(良かった、ちゃんと元に戻ってる)

エントは内心ホッとしていた。ソウマは寒さを堪えながら、近くにあった木を動かす。そして、彼女に向かって根を振り翳させた。彼女は必死に避けるが、段々当たって行った。

「思った通りだ。確かに技は凄いけど、体術に優れている訳じゃ無い。この前猫の国に来た時調べておいて正解だったよ」

その発言を聞いた二人は驚く。

(ソウマが普段行く先々で植物見詰めてるのって、それを操る為だったのか?)

「……勤勉な草属性程厄介な奴はいないな」

彼女はソウマを睨みながらそう言う。

「僕も力が強い訳じゃ無かったから、とにかく使える植物の数を増やす事に専念してたんだ。元々生えてるものなら、発生に必要な分の妖力を節約できるからね」

ソウマは気丈に返す。しかし、目は真剣だった。

「だが、植物の耐寒性には限りがあるだろう」

彼女はさらに気温を下げた。すると、そこら一帯の植物は全て氷漬けになってしまった。

「ソウマ!後は任せろ!」

エントがそう言って駆け付け……ようとしたのだが、見事に滑ってこけた。

「不思議だ。普通はああなる筈なのだが」

「僕も元々山暮らしだったしね」

彼女はよりピリッとした雰囲気を纏った。

「『僕()』だと?私は生ぬるい理由でここで暮らす事を決めた訳じゃ無い」

ソウマを猛吹雪が襲う。ソウマは顔を腕で覆いこそしたが、やはり避けなかった。

「こうなったら、一か八か、やってみるしか無いか」

ソウマは独り言を呟き、岩を発生させる。それだけでも驚きだが、なんとそれを変形させて剣にしてしまった。

「やっぱり、鉄じゃ無いから切れ味は悪そう。でも、斬っちゃったら危ないし、叩けたらそれでいっか」

と本当に小声でソウマが言っていたのは気のせいとしておこう。ソウマは迷わず突進して行く。実際には滑っているのだが。彼女はソウマに氷の礫を飛ばす。それらはちゃんとソウマに刺さったが、彼が怯む事は無かった。

キャラクター設定⑫ ヒノガ

 ヒノガは『頑固だが優しい』と『義理堅い』を意識して作りました。

 改訂版でもこのギャップを描けていけたらなと思っています。

 次回も未定です。

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