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第五部 やはり苦戦

 「本当に、これ、一日で着くのか?」

エントは起伏の激しい登山道で疲れ切っていた。フウワは相変わらずなエントにまた呆れていた。

「またお前はそうやってすぐ弱音を吐く。そんな調子じゃ成長も望めないぞ?」

エントは黙ってしまった。言い返したくてもフウワに突きつけられた自室に戸惑ってしまった様だった。

「二人共。話は後にしよう。……氷漬けにされるよ」

突然険しい顔でソウマがそう言うと、気温が一気に冷え始めた。

「ここは視界が悪いし足場も狭いから不利だ。近くにある広場まで行こう」

ソウマが駆け出すと、二人もそれに付いて行く。フウワは走りながらテールハンドを出した。広場に辿り着いた三人が振り向くと、先程までいた登山道は凍りついて白っぽくなっていた。そして、ゆっくりと歩いてこちらに向かって来るのはこれまた一人の女性だった。しかし、こちらはしっかりと三人を見詰めていた。

「出て行け」

その声は鈴の音の様に美しく、そして氷の様に冷たかった。ソウマはそんな彼女をじっと見詰め返す。互いに、睨みはしないが警戒している様だった。

「君が子供攫いの氷猫かな?」

ソウマはいつもより強くそう言うと、彼女は三人を睨み始めた。

「……お前らに何が分かる」

彼女は辺りの地面を凍らせ始めた。逃げ場が無いため、仕方なく凍った地面に跳び乗った三人だったが、案の定ツルツルの地面に足を取られて身動きが取れなくなってしまった。エントは偶然彼女と目が合った。だが、それがいけなかった。

「か、体が言う事を聞かない!?」

エントは戸惑いながらフウワを攻撃し始めた。ソウマはフウワの前までスケートの様に行きエントの攻撃を受けた。

「大丈夫か?」

フウワは心配そうにするが、ソウマはほとんどダメージを受けていない様だった。彼女はソウマをじっと見ていたが、ソウマは上手く目を合わせ無い様にしていた。エントは再び攻撃をしようとしたが、フウワがテールハンドで本気で殴り、頭も見えなくなる程に埋め込んだため、動きが止まった。フウワはそのままテールハンドを前方の地面に打ち付ける。それと同時に、ソウマが移動し始めた。

「視界を塞いでも、私は倒せないぞ」

彼女は氷の礫を無数に出して来た。しかし、ソウマは避ける事をしなかった。彼の後ろには、身動きの取れないフウワといつ出て来るか分からないエント。彼からしてみればよく理解した上での行為だが、見ているフウワからしてみれば気が気では無かった。

キャラクター設定⑪ アルガ

 アルガはロスト団メンバーの中でも少し未熟感を持たせたつもりです。なんだか愛嬌のあるキャラになったと自分では思っています。

 次回もおそらくこれかと思います。

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