第五部 授業のあと
「ふぅ。ようやく終わったぜ」
ライトはドッカリとソファに座った。それを見たフウワは呆れながら片付けをしている。
「ちゃんと片付けはしておけよ」
「分かってるって」
ライトは筆記用具をソウマに返した。
「ありがとな」
「ノートは持っておいたら?折角書いたんだから」
「……いや、いい。覚えた」
ソウマは受け取ったノートを開いてみる。すると、達筆すぎて読めない文字が並んでいた。ソウマはそれを見た瞬間何も言わずにノートをしまった。
(……うん、まぁ、そうなるわな)
ソウマの優しさであると分かっていても、ライトは複雑な気持ちになった。エントも同じような理由で渡して来、他のメンバーは貰うのも悪いからと返した。
「いいよ、こうやって破ればいいし」
結局、ライトとエント以外は書いた一ページだけもらう事になった。エントが各々のものを覗き込む。
「スインのシンプルだな」
スインは普通に字を書いているだけだった。
「アインはなんか見やすい」
アインのものはペンの色分けだけでなく、改行やアンダーラインなどの工夫がされていた。
「フウワの文字って意外とかわ「黙れ!」
エントはフウワに飛ばされてしまった。全員それが当たり前になってしまい何も言わなかった。
「で、この中身は何なんだろうな」
ライトがそう言うと、全員が自分の紙袋に目を向けた。
「とりあえず、開けてみよ」
スインが開け始めると、皆もそうした。すると、なんだか分厚い本が出て来た。
「『誰でも分かる戦い方』……?」
さらに、付いていたメモには『授業で説明し切れなかった事が沢山書いてあります。今後の戦いに役立てて頂けると幸いです』と書いてあった。ライトが重々しい顔でページを開くと、アニメキャラのようなイラストや漫画などで分かりやすく説明されていた。
「これなら俺でも読めそうだ」
ライトはホッとして自室に仕舞いに行った。ソウマもそうしようとすると、フウワが話しかけて来た。
「ちょっと待て。話したい事がある」
「ん?」
ソウマはいつも通りの顔で振り返る。しかし、フウワは真面目な顔だった。
「ちょっと移動するぞ」
ソウマはフウワに引っ張られ空き部屋に入った。
「お前、夜、寝てるのか?」
フウワはソウマを睨むようにして尋ねた。
「……バレてた?」
「ああ。隣の部屋の音くらい聞こえる。……どうしてだ?」
「……ちょっとね。大丈夫だよ、全く寝てない訳じゃないから」
ソウマはスルリと部屋を出て行った。フウワはただそれを見送るだけだった。
キャラクター設定⑧ ツーハ
ツーハはとにかく明るい女の子です。しかし、ライトたちの妹という設定は初めありませんでした。
次回もおそらくこれです。




