第二部 一限目
黒板には、丁寧な字で『一限目 “妖力”と“妖気”について』と書かれていた。
(え?一限?いつ終わるんだこれ?)
と思ったエントだったが、ギーヨはチョークを置いて話し始めた。
「今から授業を始めます。黒板に色々書きますので、ノートに写して頂けると幸いです。まず、皆さんは“妖力”というものを知っているでしょうか?」
一同は首を傾げる。
「ご存じないようですね。妖力は、僕たちが技を使う時消費しているエネルギーのことです。妖力は各々量に差があり、それによって技の手数が決まって来ます。また、強力な技ほど消費量は大きくなります」
ギーヨは口で説明しながら黄色で妖力と書き、説明も書いていた。
「大切なのはここからです。確かに、生まれながらにして妖力は決まっていますが、妖力は使えば使う程多くなります。努力次第でどうにでもなるという事ですね」
ギーヨ様は赤いチョークを持って今言った事を書いて行く。
「次は妖気の話をしますので、しっかりと起きていて下さいね、エントさん?」
その言葉に寝かかっていたエントが反応する。
「エントさんも帰って来た事ですし、妖気の話をするとしましょう。妖気は、妖怪が持っているオーラのことを指します。妖気は少し練習すれば感じられるようになります。それは後ほど。妖気の大きさは妖力の大きさに比例します。なので、戦う前に相手の力量を測ることが可能です。最も、妖力が少なくとも強い方はいらっしゃいますが。……ノート書いてますか?ライトさん」
その言葉に窓から外を眺めていたライトが前を向き直る。
「こんな短時間でも我慢出来んのか?お前ら兄弟は」
フウワが呆れている。二人は必死にノートに写していた。
「気を取り直して、補足に入っていきましょう。僕は先程、妖力は技を使う時に消費されるよ言いましたが、特殊能力による行為で妖力の消費がありません。なので、特殊能力を活かそうとする人が多いのです。ここまでで質問はございますか?」
ギーヨは六人を見る。ソウマが手を挙げた。
「はい、ソウマさん」
「妖力が無くなったらどうなるんですか?」
「妖力が完全に回復するまで眠ってしまいます。妖力は寝ると回復するので。他に何かありますか?」
今度は誰も手を挙げなかった。ギーヨはそれを確認すると、チョークを置いた。
「では、実際に妖気を感じる練習を始めましょうか。部屋を移動します。ついて来て下さい」
その言葉に、ライトとエントは心底ホッとした様だった。
キャラクター設定⑤ フウワ
フウワは気が強くて、頼りになる人にしようとしたのですが、『光と闇』編を書いているうちに割と乙女な面も見せる様になりました。
次回もこれです。