表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォニックス 〜戦士たちの物語〜 運命の始まり(改訂版)  作者: ことこん
第三十五章 エヴェルの持つもの
174/185

第四部 混乱戦線

 ライトはやって来たフェルクを目ざとく見つけ、近寄った。

「フェルク!久しぶりだな!元気してたか?」

「ああ!親にも会えて、店手伝ってるぞ」

と一言二言交わすと、二人はエヴェルと戦い始めた。ライトのスピードは失われたままだったが、それでもライトはエレキアローなどの中距離攻撃でエヴェルにダメージを与えて行った。フェルクも得意の火の玉を発生させ、どんどん飛ばして行った。


 一方、街の方は身分の垣根を超えた大混乱だった。銭湯を営んでいるアロンも、表に出て人々を落ち着かせようとしていた。

「逃げるのはこっちや!そっちは山が崩れて来るかもしれへん!」

逃げようとしている人々は通りに溢れかえって進行が滞っていた。それを見た銭湯の従業員の一人が、

「アロさん。どうするんです」

とアロンに尋ねると、アロンは溜め息を吐いた。

「しゃーない。強引やけど、押し込もか」

アロンは銭湯の屋根に登ったかと思うと、屋根を飛び移りながら戦場の近くまで来た。そして、こちら側に向かっている人を説得し始めた。

「おいちゃん!こっち来たら巻き込まれんで!」

「だが、ここには墓が「先祖さんもあんたが自分の為に死んだら悲しむに決まっとるやろ!」

という調子で、人の流れを一方方向にしていき、アロンはどんどん後ろから人々を歩かせた。その時、カメラを持っている人々が戦場に向かうのが見えた。

(本当は止めたい……やけど、この人らをどう流すか分かったもんやないし……)

アロンは彼らから背を向けた。


 丁度その頃、ケトクと記者たちが押し問答していた。

「お引き取り下さい」

「十分に安全に配慮しますし、皆様のプライバシーも保証しますので」

「邪魔なので、お引き取り下さい」

「むしろ、私たちがいることで増援が来「それでは困るのです。この戦いを知らせたく無い人がいるので。私はどんな条件でもここを通しません」

とケトクは止めていたが、やはり一人では限界があり、どんどん通って行ってしまった。しかし、マスコミの目の前を炎の渦が横切った。

(何が起こったのか分からないけど、利用させてもらおう)

「言ったでしょう。通さないと」

それでも諦める様子がないのを見たフウワが来た。

「だから、来るなって言ってるんだよ、私たちは。許可は私たちの上司にとってからにしてくれ」

といいながら払いのける様な仕草までしてみせた。

「これ以上文句言うんだったら、問答無用で追い出させてもらうが」

フウワは記者たちを睨んでみせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ