第二部 集合と決戦
フウワとアインは丁度分かれ道でソウマと出会った。
「あ、フウワさんとアインちゃんだ。無事で良かったよ」
「ソウマさん、待ちました?」
「いいよ、ここにはいろんな植物があるからね」
そんな会話をしているアインとソウマを他所に、フウワは遠くを見ていた。
「三人が来たようだぞ」
フウワがそう言って指を指す。そこにはあの三人組がいた。
「あ!フウワとアインとソウマがいる!」
エントはそういうと駆け寄って来た。後から二人も付いてくる。
「全員集まったし、いよいよなんちゃう?」
スインはマイペースに歩き出した。しかし、前方に謎の影が。スインはすぐに戦闘体勢に入った。
「違います、スインさん!僕はギーヨです!」
「はぇ?ギーヨく、じゃなかった様?」
(今君呼びしようとした…?)
スインの反応にアイン以外が唖然とする。ギーヨは大量の荷物を持っていて、顔が見えていなかった。
「ぎ、ギーヨ様、持ちましょうか?」
アインは遠慮がちにそう言う。しかし、ギーヨはそれを謎の技で宙に浮かせた。
「これが報酬と手土産です。どうぞ」
「いや持てませんって。今から戦いに行くのに」
エントが少々失礼な事を言ったが、ギーヨは咎めるどころか納得した。
「それもそうですね。では、本拠地に送らせて頂きますね」
(コウがビビりそうだ…)
ギーヨがそう言うと荷物達は瞬間移動で消えた。
「本当に大丈夫でしょうか?僕は用事があるので帰らなければならないのですが」
ギーヨは本心から心配しているようであった。
「大丈夫ですよ。戦士としての覚悟はあります」
ライトがそう言うとギーヨは安堵した顔で去っていった。一同はそれを見送るとすぐに歩き始めた。先程までとは違う、緊張を帯びた雰囲気で。やがて、今までよりもっと広い所に出た。その中央には男がいた。
「よくここまで来る事が出来ましたね。しかし、私にも譲れないものがあるのです」
男は鋭い眼差しを全員に向けた。そして、瞬きをする間にアインの目の前まで来ていた。アインは慌てて距離を取る。男はアインを見つめる。
「あなたがヒノガを下したのですか?彼の事だから、攻撃出来なかったのかもしれませんね。でも、過ぎ去った事を考えても仕方ありませんね。そろそろ戦うとしましょう」
男は猫だからだろうか、爪が鋭くなった。そして、アインに飛びかかった。アインは当然避けようとしたが、避けきれなかった。スインは間に合いそうになかった。アインは目を瞑り、覚悟を決めたのだった。
キャラクター設定③ スイン
スインはとにかくみんなのお姉さんを意識しました。謎の方言は優しさを出すためです。
次回はちゃんと初登場キャラクターです。