表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/185

第二部 悪夢は連鎖する

 アルガはズンズン進んでいき、スインの目の前に辿り着いた。

「対象物ノ接近ヲ確認。攻撃方法ヲ変更シマス」

スインはアルガを蹴った。しかし、アルガはそれにも耐え、スインの首にネックレスを掛けた。

「……」

スインの動きが止まった。アルガはすぐにスインから離れたが、もう水の弾丸は飛んで来なかった。スインの瞳に、光が戻り始める。

「あ……ア……アイン……」

スインはそのまま倒れた。アインがスインからネックレスを外し、自分の首に掛けると、スインは眠っていた。


 丁度その時、ソウマはムルルに話しかけた。

「やっぱり、自分から離れると難しいね……」

「でも、あの一瞬で透明に出来たのは十分凄いよ。それにしても、バレずに済んで良かったね」

「うん。こんな感じなんだね、サポーターって。アルガ君に上手くシールドが張れて良かった」


 その時、シンが起き上がった。皆が身構えたが、シンは特に変わった様子や妖気も無く、平然と歩き出した。

「この程度、大した事じゃ無い」

と言いながら、そっぽを向き、翼を広げた。皆はシンに近付いた。その時、黒いオーラが広間に放たれた。ムルルはライトとエントをシールドで守り、ナノガも自分の子供たちを同様にしたが、他のメンバーは成す術もなく当たって倒れた。


 真っ先に起きたのはフウワで、テールハンドを容赦無く振り回し始めた。

「どうする?」

とライトはエントに話しかけたが、エントは返事もせずにフウワのテールハンドの一つを掴んだ。もちろんエントにもう一つが近づいて来たが、ヒノガが刀の鞘でそれを防ぎ、ナノガはフウワを手刀で気絶させた。ライトはフウワに駆け寄り、

「相変わらずデカいな」

と呟くと、フウワは起き出して

「うるさい!」

とテールハンドでライトを殴り飛ばした。

「……あれ、私は……」

とフウワはテールハンドを仕舞いながら頭の横に手を添えた。そんなフウワに、ムルルが近付いた。

「“悪夢”とブレックジンの合わせ技だよ」

「そうか……。迷惑かけたな」

「多分、誰も気にしてないと思うよ。それより、他のみんなが心配だ」

フウワは頷き、たった今起き上がったばかりのアインを見た。


 アインは丁度近くにいたチーナに向かって突進した。

「あら、これでは獣じゃない」

チーナは自分のいる地面を隆起させた。アインは見上げる事しかして来なかった。

「確かに私たちの本質は獣だけど……なるなら品性のある獣になりなさい」

アインはチーナを目指して壁を登り始めた。チーナはそれを見下ろすばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ