表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/185

第四部 圧倒的な謎の力

 グラスシールドは優秀で、針によって割れる事は無かったが、それでも時間の問題の様に思えた。

(僕は今まで、“先輩たち”に頼って来た。でも、そんなんじゃ僕自身は強くなれない。僕が強くならなきゃ、運命は変えられない!)

ソウマがグラスシールドを洞窟いっぱいに広げると、蜂たちはグラスシールドを認識出来ないのか張り付いたままになった。

(グラスヒールみたいに、エネルギーを集中させて……)

ソウマは両手を合わせた。両手の前に、淡く黄緑色に光る球体が現れ始めた。それはみるみる大きくなって行き、とうとう洞窟の穴と同じくらいになった。

(ええと、技名は……)

「グラスビーム!」

(我ながら安直すぎる……。また考えておこう……)

ソウマが合わせた両手を話すと、その球体は光線となって洞窟を走った。蜂たちは一匹残らず焼き払われたが、光線が走った後には季節の植物たちが青々と生えていた。

「初っ端から妖力使い過ぎじゃないか?」

と言いながら、フウワが姿を現した。

「ごめん。ちょっと熱が入っちゃった」

とソウマは身を小さくするが、フウワはボソリと、

「怪我がなくて良かった。ごめんな、逃げてしまった」

と言った。それはソウマにきちんと聞こえていた。

「いいよ。誰しも苦手なものはある訳だし。それに……」

「それに?」

「最悪、フウワさんなら、分けてくれそうだし。妖気」

と言ってソウマは前を向き、歩き出した。

「そ、ソウマ……?」

フウワは顔を真っ赤にした。この世界には、妖石以外にも人から人へ妖力を移す方法が存在する。例えば、接吻である。


 「最悪の組み合わせだ」

と言いながら、シンはスインに抱きつかれていた。

「嫌やった?」

「嫌に決まってるだろ!」

とシンはスインの腕を払い除けたが、スインは

「そっかあ。嫌やったかあ」

と言いながら頭を撫でて来た。

「触るな!」

シンはスインから離れた。その時、誰かの足音と妖気が近付いて来た。

「……来たか」

シンは狐の耳に加えてコウモリの耳を出した。スインは透明になった。

「丁度良かった。まとめて捕獲出来そうだ」

現れたのは、やはりエヴェルだった。エヴェルは謎の黒いオーラを放った。シンは翼で顔を覆ったが、その場に倒れてしまった。

「妖力は消費するが、仕方あるまい」

エヴェルは二人を瞬間移動させようとした。その時、炎で出来た大蛇がエヴェルを襲った。エヴェルは避けたが、シンとスインは瞬間移動されずに済んだ。

「随分と大人数で来た様だな」

ヒノガは刀をエヴェルに向けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ